昼ご飯がもたれる
私はかつて大食いだった。30代後半の時に毎年体重が増えていることがわかった。血圧やコレステロール値も危なくなったので、少しだけ食事を減らした。少なくともどんぶりご飯のお代わりはやめたし、飲んだ後のラーメンも遠慮した。
それでもトンカツや天丼のようなコッテリ料理は大好きだった。とりわけ昼ご飯においしいトンカツや天丼や鰻やステーキや焼肉を食べると幸福感に包まれた。特に「揚げ物」は永遠の好物だと思った。
幸いにして、勤める大学の近くにはかなりうまいとんかつ屋がある。大学前のそば屋の天丼もうまい。また、自宅の近くにも知る人ぞ知る天ぷら屋がある。このどれかを週に1回は食べてきたのではないか。
2、3年前から昼は「ご飯、少なめにお願いします」と言うようになった。やはり健康診断の数値が気になったから。最初は足らない気がしたが、慣れるとその方が楽になった。体重は2キロほど減って、そのまま止まった。
ところが最近は、ご飯を少なくしてもトンカツや天丼そのものが胃にもたれるようになった。そのあぶらっぽい部分がいつまでもお腹に残り、気持ちが悪い。夜の7時過ぎになってもどこかにかすかに残っている気がする。
女性やお年寄りで、「揚げ物はちょっと」と言う人はいるが、これからは自分もその部類に入るのだろう。あれほど「揚げ物」が好きだったのに。先日、大学近くのステーキ屋にいった。「揚げ物」ではないと思って。サーロインの120gという肉の量が一番少ないものを選んだ。周りは250gとか400gとか食べていた。
ところが120gでも私には十分で、実を言うと食後に少しもたれた。数時間、肉が胃腸にある感じが続く。これがダメだと、学生街ではもはや食べるものがなくなってしまう。中華もインドも複数あるが、いま一つ。イスラエル料理もスペイン・モロッコ料理もトルコ料理も重い。オフィス街ならある普通の煮魚やお刺身の和定食は見当たらない。かくして私の昼食放浪の旅は続く。
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