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2019年6月10日 (月)

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のド派手な戦い

日本を扱った外国映画は私が関心を持つテーマの一つなので、できるだけ見ることにしている。今回の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』にはそれ以外にも見たいと思う要因があった。何と「モスラ」が出るというではないか。

モスラと言えば、『モスラ』(1961)でザ・ピーナッツが歌う「モスラの歌」が忘れがたい。映画『モスラ』はたぶんテレビで見たし、歌番組でよくザ・ピーナッツが歌っていた。あの歌が少しでも使われるかと思ったが、それはなかった。

それから今回の「キング・オブ・モンスターズ」という副題(英語も同じ)も気になった。これは前にここでも書いたが、元祖『モスラ』(54)の2年後に作られた米国編集版がまさに今回と同じ題名なのだ。アメリカで見られたゴジラは、実はアメリカ人が主人公の米国版だった。

ただ、今回の映画にはその米国版は関係なかった。ゴジラ以外にモスラ、キングギドラ、ラドンが登場し、最後はゴジラが生き残るのでこの題名が使われたのだろう。もともとアメリカでは知られた題名だし。

さらに気になったのは、東宝が初めてハリウッド版ゴジラに製作出資をしたというニュースを読んでいたから。もちろんそれは海外戦略の一環らしいが、東宝がお金を出すからにはという期待もあった。噂によれば10%の出資らしい。

日本では無名のマイケル・ドハティが監督。見た感想は、ずいぶんわかりやすいが、アクション中心でどこか根本が欠けていると思った。物語は世界各地で怪獣を研究する秘密組織「モナーク」のエマ(ヴェラ・フォーミカ)と娘のマディソン(ミリ―・ポピー・ブラウン)が環境テロ組織に誘拐されたことから始まる。エマの元夫のマーク(カイル・チャンドラー)はモナークの芹沢博士(渡辺謙)に協力し、娘の救出に向かう。

エマはテロ組織に洗脳されて、巨大生物を再生させて人類によって破壊されつつある地球をリセットするしかないと説き、キングギドラを再生させる。それに応じてゴジラも再生し、ラドンやモスラも出てきて、最終的にはゴジラとキングギドラが戦う。

さてエマの思想は正しかったのか。そのうえ、核兵器オキシジョン・デストロイヤーの使用はあれでいいのか。怪獣同士のド派手な戦いが中心となって、『ゴジラ』シリーズの持つ社会的哲学的問いかけはどこかに行ってしまったようだ。

今回のゴジラは前回のハリウッド版以上のヒットで、興収50億円を超える勢いという。最近のハリウッド映画は『グレイティスト・ショーマン』といい、『ボヘミアン・ラプソディー』といい、とにかく物量で強引に押しまくる映画が日本で当たるようだ。

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