ユニクロのTシャツを着る
今から10年近く前だろうか。フランス大使館の昼食会でご一緒した三宅一生さんが「もう、ファッションの時代は終りましたよ」と言ったことを覚えている。世界中がユニクロのような激安の服=ファスト・ファッションを買うようになり、三宅さんのようなシャツ一枚数万円するものは、買う人が激減したという。
その頃から考えても、ユニクロのデザインは抜群によくなった。そういえば、それから2、3年後にユニクロのデザインディレクターになった滝沢直己氏は、長年三宅さんの片腕だった人だ。
10年前くらいまでは、ユニクロは安いけどどこかダサかった。無印の方が何かしら品格があった。ところが7、8年前から、デザイン力でユニクロは勝ち始めた気がする。男物のシャツでもTシャツでも、かつてのユニクロの「フリース」と違ってそこには品の良いデザインがあった。
3年前にパリに行く前に買った服の中にクリストフ・ルメールとユニクロのコラボがあった。個性的なデザインの長袖Tシャツのように今も使っているものもあれば、ジャンパーのように2度と着る気がしないものもある。それでもどこかオリジナルな感じがあった。
もともと私は夏でもTシャツ姿にはならなかった。20年以上会社員をやった習性で、人前に出る時は襟のあるシャツを着ないと落ち着かなかった。ところが大学は服装は自由だし、それ以上に最近の夏は本当に暑くなった。数年前から夏はTシャツに薄い長袖シャツをはおるようになった。
最初はTシャツもそれなりのものを着ていた。ところが1万円のTシャツも1、2年でまずダメになる。そこで昨夏ユニクロのJWアンダーソンとのコラボTシャツを買ってみたら、1500円なのに十分なクオリティだった。
今年はユニクロのネットでニューヨークのMOMAとのコラボTシャツで、ソル・ルウィットのデッサンをもとにしたTシャツを買ったら、なかなか評判がいい。さらに調子に乗って、ブランドとのコラボでギターのフェンダーやカーミット・チェアのTシャツを買った。この2つは980円だったが、着心地は1万円のものとあまり変わらない。
私の中でも「ファッションの時代は終った」のかもしれない。今のところは長袖Tシャツはユニクロよりは高いものを買っているが、それもいつまで続くやら。
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