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2019年7月13日 (土)

さっぱりわからなかったスパイダーマン

この数年前から、当たっている映画はとりあえず見ることにしている。始まったばかりの『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が興収50億円を超えそうな勢いというので、6回無料券を利用して劇場で見た。

これがさっぱりわからない。理由はたぶん2つ。1つは今回の「スパイダーマン」は『アヴェンジャーズ』や『アイアンマン』などの「マーベル」シリーズとつながっていたことで、それらを見ていない私にはちんぷんかんぷん。

もう1つは、映画で出てくる戦いの半分が見る人によって生じる「幻影」とされていたこと。そもそもベネチアやプラハなどの街をCGで作って派手に壊すこと自体がリアリティが弱いので、すべてが妄想のよう。

2002年に始まったサム・ライミ監督による『スパイダーマン』のシリーズは、トビー・マグワイアとキルステン・ダンストのコンビが抜群だった。それが2012年のマーク・ウェッブ監督の『アメイジング・スパイダーマン』でだいぶ魅力が落ちた感じだったが、それでもまだおもしろかった。この2作目は見ていない。

それから『スパイダーマン:ホームカミング』(未見)になるのだが、これから「マーベル」シリーズとの相乗りが始まったようだ。この作品でスパイダーマンになるピーターの師匠はアイアンマンになったらしく、今回の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ではその不在がテーマだ。アイアンマンから渡された眼鏡がその喪失感を埋める。

アイアンマンの代わりに異世界から現れるヒーローがミステリオ(ジェイク・ギレンホール)だが、これは味方のように見えてそうではない。結局ピーターは自分のスパイダーマンとしての役割を自覚してゆくという若者の成長物語。

かつてはシリーズものは、前作を見ていないでも楽しめた。最近の「スターウォーズ」がそうだが、今では登場人物をオタクのように知っていないと楽しめない。だから過去の作品も見て準備する。それが「スターウォーズ」や「マーベル」を傘下に収めたディズニーの戦略だろう。オタク監督を使って、世界の若い映画ファンをディズニー漬けにする仕組みだ。

今回の「スパイダーマン」は過去の経緯からソニー=コロンビア製作だが、『ホームカミング』が当たったのでディズニー王国に逆らえないのだろう。そういうわけで、私はこれからは「スパイダーマン」を含む「マーベル」シリーズを見ないことにしようと思う。今回はスパイダーマンがベネチアやプラハやベルリンやロンドンで飛び回ったらさぞおもしろいだろうと期待したが、すべては「幻想」で済まされるCGの夢でしかなかったし。

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コメント

『トイストーリー4』がケッサクで、現代のスクリューボールコメディと言ってもいいくらい素晴らしい出来栄えに仕上がってました。ぜひ、記事にしてくださいませ。

投稿: コーベン | 2019年7月15日 (月) 10時14分

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