« 初めてソウルに行く:その(5) | トップページ | 若者はなぜ選挙に行かないのか »

2019年7月19日 (金)

初めて「トイ・ストーリー」を見る

『トイ・ストーリー4』を劇場で見た。最近はディズニーもよく見るが、このシリーズを見たのは初めてだったと見終わって気がついた。見に行ったのは、すべての新聞の夕刊映画評で「絶賛」だったから。

最近、「『新聞記者』の映画評」評をここに書き、それがもとで朝日新聞デジタル「論座」にも書いたが、それは新聞によっての扱いの違いが興味深かったから。『トイ・ストーリー4』については、まるで話し合ったように各紙が大きな扱い。

「朝日」は一番の「プレミア・シート」、毎日も一番大きな枠、日経も大枠2本の上段(写真が大きい)、「読売」だけがロバート・レッドフォード主演の『さらば愛しきアウトロー』に次ぐ2つ目の大枠。

「毎日」の高橋諭治氏によれば、「世界初のフル長編CGアニメ『トイ・ストーリー』が誕生したのは1995年のこと」「前作の結末はシリーズ完結にふさわしかった」。「朝日」の真魚八重子氏は前作を「感情がジェットコスタ―に乗ったように揺さぶられる作品」「あの異常なまでの傑作」と書く。

さて前作どころかこれまでこのシリーズを1本も見ていない私にはどうだったかと言えば、一切予習なしでも十分に楽しめた。ちゃんと最初に9年前にカウボーイのおもちゃウッディが、大学生になった持ち主のアンディと別れるシーンが出てくる。そして新たな持ち主の少女ボニーの成長を見守る。

ボニーは幼稚園でフォークで作った人形「フォーキー」がお気に入りとなるが、おもちゃとしての自覚が足らないためにウディが助ける。アンティークショップや遊園地でほかの個性的なおもちゃも一緒になってドラマが展開する。

アンディはそこでかつて仲の良かった美人人形のボーと再会し、「持ち主」なしで自由に生きる姿を見て考え直し、最後には彼女についてゆく。いわば持ち主からのおもちゃの独立だ。

私はこの映画を見ながら、かつてのアメリカ映画で描かれた黒人の姿を重ねていた。主人のために尽くすことを最大の喜びとした奴隷たちだ。この映画ではおもちゃが主人公になることで、人間の身勝手さが露骨に見える。

アニメは実写と違って人間を単純化した線と色で描く。実写を使ったCGアニメでもそれは残る。おもちゃはもともとプラスチックや鉄などでできているから線が単純でアニメに向いている。いわばアニメの元祖に戻ったようなおもちゃから見る人間たちの姿はどこかグロテスクで冴えない。

それにしても、新聞各紙がこれを一押しにするほどとは思わなかった。個人的には『さらば愛しきアウトロー』や『田園の守り人たち』の方がいいと思った。

|

« 初めてソウルに行く:その(5) | トップページ | 若者はなぜ選挙に行かないのか »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 初めてソウルに行く:その(5) | トップページ | 若者はなぜ選挙に行かないのか »