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2019年7月20日 (土)

若者はなぜ選挙に行かないのか

この10日ほど、大学の授業の始めに「参院選に行きましょう」と話すことが多い。特にまだ先生の言うことを聞く一年生には言う。そうでもしないと大学生は本当に選挙に行かないから。昔は1年生の多くは選挙権がなかったが、18歳以上になった今はみんなある。

前回の参院選の投票率は55%だが、30代は44%、20代は36%。とにかく若者は選挙に行かない。大学生と接していて感じるのは「社会のことを考えるのは面倒くさい」「自分には関係ない」「とりあえず自分がなんとか食べていけたらいい」「変に目立ちたくない」というところか。

ここ2、3年は求人が多いので、私が教え始めた10年前に比べたら学生の就職活動はずいぶんうまくいっている。そうやって得た就職先でどうにか「この世界の片隅で」生きていけたら十分、という感じが広がっている。

そもそも「面倒くさい」から、地方出身の学生は住民票を移してない場合が多い。そんな学生には地元の自治体のHPを見ると不在者投票をする仕組みがあることを説明する。

それでも「面倒くさい」という学生には、「そもそも食べていくのは面倒くさいこと」「映画を作るのはもっと面倒だから、選挙に行く程度の面倒さは引き受けないといけない」「現実の社会と向き合わないといい映画は作れない」などと言って、「面倒さ」の重要性を説く。

「自分が食べていけたらいい」という学生には、それは今後さらに難しくなることを話す。実はうまく就職して「この世界の片隅で」生きて行こうとしても、労働時間に比してその給料が恐ろしく少ないブラックな会社がざらにある。一人暮らしだと都内で生活するのがギリギリの場合が少なくない。さらに仮に世間並みの給料がもらえても、就職して数年後にはその仕事を失う可能性は十分にある。

それは今の日本が大企業中心の制度になったから。税制は大企業優遇になる一方、消費税率は高まって個人の負担は増えた。一部の高給の会社員を除くと、給料が安い企業がどんどん増えている。さらに派遣制度が広がって、正社員が大幅に減った。入管法の改正で、外国人をタダ同然で働かせる仕組みが定着し始めている。

そんな日本の流れに歯止めをかけるには、選挙で意志を示すしかない。私は誰に投票しろとは言わない。「誰に投票すべきか考える」ところから、何かが始まると思うから。ここは私の学生も読んでいるので、卒業生も含めてすべての教え子へのメッセージとして、大人には自明のことを書いた。

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