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2019年8月

2019年8月31日 (土)

ベネチアの快楽:その(1)出だしのつまずき

実は既に3日前からベネチア国際映画祭に来ているのだが、ここ数日にアップしたのは前に書き溜めたものばかり。着いてからは初日のオープニングが是枝裕和監督の『真実』でバタバタしたが、それ以上に個人的にトラブル続きだった。

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2019年8月30日 (金)

『映画を撮りながら考えたこと』についてもう一度

前回は本の中身にほとんど触れなかったので、大事なことをメモしておきたい。まず映画祭について、日本でこれほどあるべき映画祭について語っている映画監督はいないのではないか。まず、『幻の光』で最初に行ったベネチア映画祭の話がおもしろい。

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2019年8月29日 (木)

『夢を見ましょう』に腰を抜かす

秋から某大学で「フランス映画史」の授業を始めるために、これまで見ていない映画やもう一度見直したい映画のDVDを見ている。日本で出ていないものはフランスから買うが、サイレント映画のルイ・デュリュックやジャン・エプスタンのDVDボックスなどこれまで見るのに苦労した映画が簡単に見られるのだから驚きだ。

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2019年8月28日 (水)

今頃読む『映画を撮りながら考えたこと』

是枝裕和監督の『映画を撮りながら考えたこと』をようやく読んだ。この本が出たのは2016年6月だから、もはや3年前。話題にはなっていたが買うことがなかった。先日本屋で見たら装丁がいい感じの手触りで、思わず買った。

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2019年8月27日 (火)

『日本社会のしくみ』を読む

小熊英二氏の分厚い新書『日本社会のしくみ』を読んだ。小熊氏は社会や歴史の根本的な問題を分厚い本で解き明かそうとする。私は『1968』に深い感銘を受けたが、この本を間違いが多いと批判する人は多かった。さて今回『日本社会のしくみ』を読んだのは、本人がPR誌『本』で紹介する文章を読んだから。

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2019年8月26日 (月)

スポーツと映画を考える:その(1)『スパルタ教育 くたばれ親父』

私の学生が企画する映画祭も今年で9年目になる。昨年は「朝鮮半島と私たち」、一昨年は「映画と天皇」とかなり社会的に「攻めた」テーマを扱ってきたが、今年は「スポーツの光と影」とずいぶん普通になった。

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2019年8月25日 (日)

「原三渓の美術」展に考える

めったに見ないテレビを見ていたら、明治の実業家、原三渓の美術コレクションを紹介していた。それがあまりにおもしろそうだったので、横浜美術館で9月1日まで開催の「伝説の大コレクション 原三渓の美術」展を見に行った。

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2019年8月24日 (土)

美少年映画としての『永遠に僕のもの』

古くはヴィスコンティの『ベニスに死す』(1971)から最近は『君の名前で僕を呼んで』(2017)まで、いわゆる「美少年映画」というのがある。作り手がどこまで意識したかわからないが、結果としては女性に人気が出る。

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2019年8月23日 (金)

応挙について考える

東京芸術大学大学美術館で9月29日まで開催の「円山応挙から近代京都画壇へ」展を見た。応挙と言えば江戸中期から後期の写実主義で知られるが、この時代だと最近は伊藤若冲、曽我蕭白、岩佐又兵衛のような「奇想の画家」が流行っている。

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2019年8月22日 (木)

『タロウのバカ』の時代感覚

9月6日公開の大森立嗣監督『タロウのバカ』を見た。この監督は最近は『日日是好日』のようなのどかな話を繊細に撮っているが、実は『ゲルマニウムの夜』(2005)以来、作品によっては相当にダークな面を抱えていた。いままでだと『ぼっちゃん』が一番闇の世界に迫っていたと思っていたが、今回はそれをはるかに上回った。

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2019年8月21日 (水)

映画と納豆の関係

数日前の「朝日」で納豆のタレ袋の記事を読んでいたら、ちょっと驚くことがあった。その記事は、押すだけでタレが出る納豆の袋を6年半かけてミツカンが開発し、1億食を売り上げるヒットになったというもの。

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2019年8月20日 (火)

チャオ・タオと「見る」21世紀の中国

9月6日公開のジャ・ジャンクーの新作『帰れない二人』を見た。2001年から18年までの中国各地を、ジャ・ジャンクー監督のミューズ、チャオ・タオと一緒に「見る」ような、壮大な映画だった。

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2019年8月19日 (月)

トリエンナーレと「パブリックアート」

「あいちトリエンナーレ」の「芸術と不自由展」問題はもう論じ尽くされた感じもするが、「朝日」の宮台真司氏へのインタビューで気になる点があった。「今回の中止は脅迫による混乱が理由で、言語道断です。毅然(きぜん)とした態度を貫かないと、脅した者勝ちになる」には全く同意する。

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2019年8月18日 (日)

『東京裁判』についてもう一度

『東京裁判』について書き足りないので、もう一度書く。この映画は途中で10分の休憩があるが、前半の山場はやはりブレイクニー弁護士の原爆を落とした者も裁くのかという発言だが、後半はオーストラリアのウェッブ裁判長とアメリカのキーナン首席検事との政治的駆け引きとなる。

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2019年8月17日 (土)

「発掘」をめぐる展覧会2つ

金曜日の夕方に東京駅で用事を終えて、ふと思い立って上野に展覧会を見に行った。最近は夜間開館があるからだが、一番見たかった東京芸大美術館の「円山応挙から近代京都画壇へ」は通常の17時閉館だった。そこで東京国立博物館の「三国志」展を見ることにした。

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2019年8月16日 (金)

8月15日に『東京裁判』を見る

母の法事も兼ねて九州へ行った。帰宅して故郷でボケた頭にガツンと来るものをと思って選んだのが、小林正樹監督の4時間37分のドキュメンタリー『東京裁判』(1983)。大学生の時に公開されたのは憶えているが、「映画青年」だったはずの私はなぜか見ていない。

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2019年8月15日 (木)

日韓関係はどこに向かうのか

日韓関係は、とんでもないところまで来てしまった。日本政府は輸出規制の第2弾を発表し、韓国もそれに匹敵する規制をしそうだし、GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)を8月24日に破棄する可能性もあるという。

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2019年8月14日 (水)

オダギリジョーの『ある船頭の話』に驚く

9月13日公開のオダギリジョー初監督作品『ある船頭の話』を試写で見た。ベネチア国際映画祭の「監督週間」に出品されるが、コンペでもありえたのではないかと思うほど志の高い映画で驚いた。

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2019年8月13日 (火)

『黒澤明の羅生門』に考えたこと

ポール・アンドラ著北村匡平訳の『黒澤明の羅生門』を読んだ。ポール・アンドラ氏はコロンビア大学で日本文学を教えているが、3年前に一度会ったことがあった。その時にこの本を書いていると聞いていた。

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2019年8月12日 (月)

昔の遊びについて考える

六本木の試写の後で見た、サントリー美術館で8月19日まで開催の「遊びの流儀 遊楽図の系譜」展が予想外におもしろかった。キャッチコピーは「浮世の憂さの晴らし方。」で、つまり昔の日本人の遊び=「憂さ晴らし」は何だったのだろうかというもの。

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2019年8月11日 (日)

それぞれの吉武美知子さん

先日、吉武さんのお別れ会「それぞれの吉武美知子さんを語る会」Chaqu'un a sa Michikoに行ってきた。弟さん、諏訪敦彦監督、黒沢清監督、アテネの松本正道さん、中学・高校の同級生の女性、蓮實重彦さんが「それぞれの吉武美知子さん」を語った。その間、彼女が製作した映画の抜粋と多くのスナップ写真が投影された。

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2019年8月10日 (土)

『おしえて! ドクタールース』の楽しさ

8月30日公開のライアン・ホワイト監督『おしえて! ドクタールース』は、暑い日にちょっと爽やかな気分になれるドキュメンタリーだった。前にもここに書いたように、ドキュメンタリーはおもしろい人物を見つけてうまく撮影できたら「勝ち」である。

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2019年8月 9日 (金)

エミール・ギメの見た日本

フランスのエミール・ギメが1880年に書いた『明治日本散策 東京・日光』を岡村嘉子氏の新訳で読んだ。エミール・ギメは今ではパリの国立ギメ東洋美術館の創始者として名前を残しているが、私は昔からリヨン生まれというのが気になっていた。リヨンはリュミエール兄弟が生まれ、シネマトグラフを作り出した都市である。

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2019年8月 8日 (木)

『ディリリとパリの時間旅行』の摩擦感

8月24日公開のミシェル・オスロ監督のアニメ『ディリリとパリの時間旅行』を見た。1900年頃の「ベル・エポック」のパリにニューカレドニアからやってきたハーフの少女ディリリが、パリで出会った友人のオレルと共にパリを巡り、誘拐事件を解決する。

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2019年8月 7日 (水)

あいちトリエンナーレのこと

あいちトリエンナーレで「表現の不自由展・その後」が開催後わずか3日で展示中止になったニュースを聞いた時、私が一番考えたのは美術関係の友人たち、とりわけ全国の学芸員が怒っているだろうな、ということだった。もちろん芸術監督の津田大介氏に対してである。

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2019年8月 6日 (火)

『隣の影』のブラックな笑い

アイスランド映画『隣の影』を劇場で見た。新聞でいくつか映画評を読んで、見たいと思ったから。ささいなことで隣の家といさかいが生じ、それが殺人事件に発展するという展開に興味を持った。

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2019年8月 5日 (月)

1万円のDVD再生機を買う

自宅のテレビが映らなくなった。買ったのは8年前で、42インチが20万円くらいしたのではないか。先週の29日(月)にようやく前期の授業が終わり、後期に某大学でフランス映画史を教える準備を始めようと、大量のDVDを自宅に持ち込んで数日後だった。

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2019年8月 4日 (日)

『ダンスウィズミー』に乗せられる

8月16日公開の『Dance with meダンスウィズミー 』を最終試写で見た。矢口史靖監督だが、見る時はなぜか周防正行監督のような気になっていた。どちらの監督の映画題名も楽しそうなのが多いし、作家性がありながらエンタメ志向。制作会社がアルタミラ・ピクチャーズということもあるか。

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2019年8月 3日 (土)

排外主義という亡霊

世界中で「排外主義」という亡霊が蘇っている。トランプに似た排外主義のボリス・ジョンソンが英国の首相になって困ったなと思っていたら、日本は韓国への輸出規制の第2弾を発表した。アメリカは対中関税の第4弾を発表。米ロの中距離核戦略全廃条約も失効した。

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2019年8月 2日 (金)

『アルキメデスの大戦』の戦艦大和

山崎貴監督の『アルキメデスの大戦』を劇場で見た。戦艦大和が沈没する瞬間の映像が見られると聞いたから。もちろん私は右翼でも軍事オタクでもないが、日本人が戦時中に作った戦艦や飛行機の話にはどうも惹かれるところがある。

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2019年8月 1日 (木)

ユニクロのTシャツを着る

今から10年近く前だろうか。フランス大使館の昼食会でご一緒した三宅一生さんが「もう、ファッションの時代は終りましたよ」と言ったことを覚えている。世界中がユニクロのような激安の服=ファスト・ファッションを買うようになり、三宅さんのようなシャツ一枚数万円するものは、買う人が激減したという。

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