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2019年9月

2019年9月30日 (月)

『閉鎖病棟』に涙する

帚木蓬生の小説『閉鎖病棟』がかつて「泣ける」と話題になったのは記憶のどこかにあるが、読んでいない。この小説をもとにした映画が11月1日に公開されるというので試写を見たが、泣いてしまった。

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2019年9月29日 (日)

「あいちトリエンナーレ」の文化庁補助金取り消しの異常さについて

「あいちトリエンナーレ」をめぐっては、開幕わずか3日にして「表現の不自由展・その後」展の展示が中止になったことが問題となったが、今回は何と文化庁が内定してい補助金約7800万円の交付を取り消すという暴挙に出た。津田大介氏と愛知県の大村知事が中止を発表した件については既に「朝日新聞デジタル論座」に書いたが、今回の問題はさらに大きい。

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2019年9月28日 (土)

公開初日に見る『宮本から君へ』

真利子哲也監督の『宮本から君へ』を公開初日に劇場で見た。実は先週のどこかの夕刊にベタ褒めの映画評が載ったので、既に公開中と勘違いしていた。最近はアメリカのメジャー映画に倣ってインディペンデント邦画まで金曜公開になったようだが、この種の客を選ぶ映画だと観客が少なくて初日らしくない気がする。

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2019年9月27日 (金)

トーマス・クックの倒産に考える

「トーマス・クックが倒産」というニュースを聞いても、若い人は何のことかわからないのではないか。1980年代に大学生で初めて海外に行った私にとっては、ほかにはないくらい世界的なブランドだった。その存在感は、今のフェースブックやアップルくらい大きかったのではないか。

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2019年9月26日 (木)

メガネの話

私はいつもメガネをかけている。しかしメガネをかけると近くが見えないため、手元を見る時はメガネをはずす。それが面倒なので、いつ頃からかメガネにストラップ(ひも)をつけて、首から垂らすようになった。近くを見る時はメガネをはずして、だらりと前に垂らす。

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2019年9月25日 (水)

『エイス・グレード』に見るSNS世代

私もスマホをよく見るが、大学生はその比ではない。授業中も触っていないと気がすまないくらいの中毒だ。彼らはおそらく中学生の時にはもう持っていたのではないか。そんなことを改めて考えたのは、アメリカ映画『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』を劇場で見たから。

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2019年9月24日 (火)

『蜜蜂と遠雷』の小説と映画をめぐって

私は恩田陸という作家のファンではない。私よりほんの少し若いくらいだが、一躍有名になった『夜のピクニック』が私にはどこかピンと来なくて最後まで読んでいない。映画化を進めたプロデューサーに「読んでくれ」ともらった本だったにもかかわらず。映画も見なかった。

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2019年9月23日 (月)

『おいしい家族』の描く世界

私の教える大学で、学生が政治や経済について語ることは少ない。ところがLGBTの動きに関しては相当に敏感だと思う。例えば卒論では、10人いればまず1人は映画におけるLGBTをテーマにする。ほとんどの場合、本人はLBGTには属さないにもかかわらず。

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2019年9月22日 (日)

図書館を巡る:続き

さて、国会図書館のパソコンで電子化された美術雑誌を見たのはいいが、まだデジタル化されていない最近の号は現物を閲覧したい。その請求もパソコン上でやることになっているが、その方法がわからなかった。

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2019年9月21日 (土)

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を楽しむ

私は映画を見るのに、試写でも劇場でも予備知識なしで行くことが多い。クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』も予告編を映画館で見た以外に何も知らずに行った。題名からして昔のハリウッドの話だとは思ったが。

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2019年9月20日 (金)

図書館を巡る

昔から、あまり図書館に行かない。読む本は基本的に買うし、文章を書く時の調べものでも今は大学の開架式の図書館を使う。ところが最近美術関連の長い文章を書くことになり、ある美術雑誌のバックナンバーを読む必要ができた。

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2019年9月19日 (木)

『プライベート・ウォー』のカッコよさ

マシュー・ハイネマン監督の『プライベート・ウォー』を劇場で見た。この監督のドキュメンタリー『ラッカは静かに虐殺されている』は見ていないが評価が高かったので、その劇映画に興味があった。華やかな印象のロザムンド・パイクが主演でどうなるだろうかと思った。

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2019年9月18日 (水)

気温のこと

まだ暑い。昼間は30度近い。ベネチアで最高気温がある日を境に32度から22度になり、パリでは18度になった。朝は10度を切り、こうなるともう秋。ところが帰国したら、また夏の30度に戻った。

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2019年9月17日 (火)

『人間失格』に思うこと

蜷川実花監督『人間失格』を見た。実は7月末に試写で見ていたが、あまり好きではなかったのであえて公開後にアップすることにした。確かに蜷川実花の世界が炸裂している。『へルタースケルター』から美術を担当するenzoは、この世とは思えない艶やかな世界を作る。

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2019年9月16日 (月)

ほかにパリで見たもの:続き

もう一度だけ、パリで見たものについて書いておきたい。オルセー美術館では、2階で「ベルト・モリゾ展」を見た後、5階に登って印象派からネオ印象派(ポスト印象派ではなくこう表記)を急ぎ足で見た。つまり、マネ、モネ、ルノワール、セザンヌなどの一番有名な絵があるところ。

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2019年9月15日 (日)

『ブルーアワーにぶっ飛ばす』の快い違和感

10月11日公開の箱田優子監督『ブルーアワーにぶっ飛ばす』を見た。この監督の第一回長編だが、CMの世界で活躍している人らしく、この作品はツタヤのクリエーターズ・プロジェクトの一環で生まれたという。

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2019年9月14日 (土)

東京に戻って考えること

この数年は毎年8月末から9月初旬にベネチア、パリに行く。かつて新聞社にいた頃は年に数回海外に出張していたので、あまり意識することはなかったが、年に一度だと帰国していろんなことを考える。

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2019年9月13日 (金)

ほかにパリで見たもの

もう帰国したが、「ベルト・モリゾ展」以外にパリで見たものを忘れないうちに書く。定宿のホテル近くの映画館で、レベッカ・ズロトヴスキ監督の「簡単な娘」Une fille facileを見た。カンヌに住む16歳のナイマの夏休みを描いたもので、フランス映画の一ジャンルであるバカンスもの。彼女のもとにはいとこで23歳のソフィアがやってくる。彼女は抜群のプロポーションで、年上の男たちを誘惑する。

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2019年9月12日 (木)

『映画について考えたこと』についてもう1回だけ

この本についてはもう一度だけ語りたい。彼は「『歩いても歩いても』は、できあがったときに、「納得度の高いものができた」と思えました。それはいままでいちばん肩の力を抜いて無理をしないでつくれたということです」と書く。

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2019年9月11日 (水)

オルセー美術館のベルト・モリゾ展

今回はベネチアの最初でパソコンやスマホでの失敗があったせいで、パリで何をするか考える時間がなかった。とりあえずパリに着いてネットで検索してみると、オルセー美術館で9月22日までベルト・モリゾ展をやっていた。この女性画家にはちょっと思い入れがあった。

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2019年9月10日 (火)

ベネチアの快楽:その(9)そのほかの映画

ほかにも歴史ものは多かった。「領地」A herdadeは、ポルトガルのティエゴ・ゲデス監督の傑作で、ポルトガルの地方領主の戦後を描く。冒頭に1946年のシーンが出てきて、その次は1973年のサラザール政権崩壊の頃、そして1991年に移る。

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2019年9月 9日 (月)

ベネチアからパリへ

ベネチアからパリに着くと、肌寒い。既にベネチアでも終盤に急に寒くなった。最初の頃は最高が32度で思わず水着に着替えて海で泳いだが、終わりの頃は最高が24度だった。パリに来たら19度くらい。朝は10度。

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2019年9月 8日 (日)

ベネチアの快楽:その(8)現代を描く

受賞結果が出た。日本で10月4日公開の『ジョーカー』は何か取るとは思ったが、ホアキン・フェニックスの男優賞だと思っていた。確かに面白さから言えば金獅子賞でもおかしくはないが。映画は『バットマン』の悪役「ジョーカー」が生まれる過程を描いており、感じとしては1960年代くらいを描いているから歴史ものとも言える。

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2019年9月 7日 (土)

ベネチアの快楽:その(7)まだまだ歴史ものが

香港のヨン・ファン監督のアニメ『チェリー・レイン7番地』No.7 Cherry Laneは、1967年の文化大革命真っ最中の香港を描く。主人公の大学生は、家庭教師で英語を教えているが、娘と母親の両方の愛に揺れている。娘とはジェーン・エアを読み、プルーストの話をする。母とは一緒にシモーヌ・シニョレが出る『年上の女』などを見に行く。

 

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2019年9月 6日 (金)

ベネチアの快楽:その(7)映画の見過ぎと食べ過ぎ

「国際映画祭」という言葉は、人を惑わせる。華やかなレッドカーペットを歩くスター、パーティ、タキシードにドレス、記者会見、世界中のジャーナリストやカメラマン、映画会社のブースと映画の売買、すべてが映画を中心に回る。1985年、大学4年生の時にカンヌを見た私は、あの映画関係者の群れに入りたいと心底思った。

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2019年9月 5日 (木)

ベネチアの快楽:その(6)歴史もの

今年の映画祭の特徴は「家族」と書いたが、もう1つは「歴史」の読み直しではないか。まずロマン・ポランスキー監督の「私は弾劾する」J'accuseは19世紀末のフランスで起きたドレフュス事件を描く。「私は弾劾する」は、作家のエミール・ゾラが新聞に書いたドレフュス擁護の文章の題名だ。

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2019年9月 4日 (水)

ベネチアの快楽:その(5)さらに家族映画

前半に家族をめぐる映画が多いと思ったが、これは実は今年のベネチアの一番の傾向なのかもしれない。地元紙の星取表で『真実』と同じくらい高得点だったのが、サウジアラビアの女性監督ハイファ・アル=マンスールの「完全な候補者」The Perfect Candidateで、若い女性の医者とその家族を描く。

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2019年9月 3日 (火)

ベネチアの快楽:その(4)とうとう泳ぐ

ベネチアのリド島でフランス人の映画関係の友人に会ったら、何と海岸で泳いだ帰りという。それを聞いたら急に泳ぎたくなった。リド島はベネチアではない。車も通るし、海水浴のできる長い砂浜がある。もちろん『ベニスに死す』の海岸だ。

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2019年9月 2日 (月)

ベネチアの快楽:その(3)家族映画

さて、忘れないうちにコンペ作品について見たものから書いておきたい。コンペは『真実』も初めとして、前半に家族ものが並んだ。まずノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』は結婚が破綻した若い夫婦の話。舞台演出家の夫(アダム・ドライバー)と女優(スカーレット・ヨハンソン)の夫婦は、ある時から少しずつ関係にずれが生じ始める。

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2019年9月 1日 (日)

ベネチアの快楽:その(2)『真実』をめぐって

10月11日公開の是枝裕和監督の『真実』をベネチアで見た。カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノーシュ、イーサン・ホークという世界的なスターを使い、全編をフランスで撮影したので話題になっていた。脚本、編集も監督本人だが、撮影や美術などのスタッフはすべてフランス人。

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