図書館を巡る:続き
さて、国会図書館のパソコンで電子化された美術雑誌を見たのはいいが、まだデジタル化されていない最近の号は現物を閲覧したい。その請求もパソコン上でやることになっているが、その方法がわからなかった。
隣の中国からの留学生さえ、軽やかにパソコンを扱っているのに。あたりを見回すと、ところどころに中年の男女が立っていて、パソコンの使い方で困った人を助けているようだ。助けを呼んでいるのはおおむね私よりずっと年配の方ばかりだが、意を決して手を挙げた。
すると私と同世代くらいの女性がやってきて「どうしました?」。「電子化されてない雑誌を予約したいのですが」と言うと、雑誌名を聞いて「何年何月号ですか?」と言いながらいつの間にか入力してゆく。すぐに10冊分の入力が終わり、「画面のココを見ると、揃ったどうかわかります。今なら30分くらいですね。窓口はあちら」と指さす。
結局、入力方法はわからないままにやってもらった。20分くらいすると画面に次々と用意ができたメッセージが出て、全部揃ったので雑誌受け取りカウンターへ。受け取って台車に乗せて空いた席を見つけて読み始めた。
都立多摩図書館ではスマホ撮影が自由だったが、ここは禁止。コピーを頼みたかったが、その方法をまた聞くのは面倒で、ノートにメモした。国会図書館の入り口に着いてから、全部で2時間くらいだろうか、思いのほか早く終わった。スタッフは都立多摩図書館ほどにこやかではないが、機能的な流れが確立されておりスタッフの迅速な動きも含めてすべてがスムーズ。
考えて見たら、パリの国立図書館(新しい方)も同じように便利だった。ただしパリの方は研究目的でないと入れないので、大学院の学生証や教職の身分証明書が必要。そのうえ、入場料を取られる。確か1回10ユーロで、1年間で60ユーロだったかな。私は3年前に1年分払ったが、3回しか行かなかった。
東京の話に戻ると、国会図書館に行ったのはたぶん大学院生の頃。大学にない戦前の本を読むためで、注文して出してもらい、20ページほどをコピーしたが、それだけで3時間はかかった記憶がある。
広尾の都立図書館には、就職直前に行った。国際交流基金の入社試験を受ける前に、「国際交流」という機関誌を読みに行った。数年分読んだので、面接は実にスムーズだったのを覚えている。やはり要領はよかったのだろう。どちらも30年以上前の話である。
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