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2019年10月 1日 (火)

「あいちトリエンナーレ」文化庁問題:続き

つまり、主催者が終了後の報告書を提出する前に、文化庁は「表現の不自由展」の中止騒動があったのに「文化庁にすみやかに報告」しなかったのはけしからんとゼロ査定を決めたことになる。こんな例がこれまであるだろうか。

補助金の申請にあたっては、当然ながら申請時点ではすべての内容が定まっていないことが多い。それでも審査する時は、その団体のこれまでの実績や今回の津田大介氏を含む運営体制を見て判断する。その後内容が多少変わってもそれによって採択の判断が変わることはない。

報告書が出る前に7800万円の内定額をゼロにするのは、事務方の判断でできる訳がない。まず考えられるのは首相発の荻生田文科大臣による指示だが、それにしても審議会の了解は必要だ。おそらく事務方はその座長に無理に了解を取り付けたに違いない。

私はその座長が誰か知らないが、高階秀爾氏クラスの大御所だろう。だからその大御所が反対するか、あるいは審議会を辞めるなどと公に言い出したら大騒ぎになるはず。審議会のほかのメンバーでも辞めると言えばニュースになるのに。

今回の決定では萩生田文科大臣が発表をした。本来ならば文化庁の助成金なのだから、文化庁長官の宮田亮平氏が言うべき話。ましてや宮田氏は前芸大学長で外部の人間である。たぶん荻生田大臣が「自分の決定だから自分が話す」としたのだろうが、宮田氏が反旗を翻したら、それだけで騒動になるはず。

どうしてマスコミは宮田長官からコメントを取らないのか。あるいは審議会メンバーから話を聞かないのか。前回書いたように審議会の下に専門部会があるはずで、その委員たちはどうして異を唱えないのか。

前文部事務次官の前川喜平氏は一昨日の「東京新聞」で以下のように書いた。

「この決定は、テロ予告や脅迫で「表現の不自由展」を中止させた勢力に加担する行為であり、表現の自由を圧殺する暴挙だ。文化庁の審査会は一体どんな審査をしたのだろう。
 宮田文化庁長官は、ご自身が金属工芸の表現者だが、今回の大臣の決定に何らの抵抗もしなかったのだろうか」

今回はもちろん政治家が悪いが、宮田氏や審議会や専門委員会のメンバーも情けないと思う。自分も文化庁の審査をしているが、そんな「御用学者」はやはり辞めるべきだという気がしてきた。

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