メガネの話
私はいつもメガネをかけている。しかしメガネをかけると近くが見えないため、手元を見る時はメガネをはずす。それが面倒なので、いつ頃からかメガネにストラップ(ひも)をつけて、首から垂らすようになった。近くを見る時はメガネをはずして、だらりと前に垂らす。
昔、中年男性がやっているのを見て恥ずかしいと思ったが、自分でやり出したら便利でやめられなくなった。このストラップは、何年に一度か切れることがある。布のひも自体ではなく、留め具の部分が壊れる。
7月初めにソウルに初めて行った時、羽田空港でチェックインしている最中に急に切れた。結局、ソウルに着いて南大門市場で買物をしている時にメガネ屋を見つけて買った。たった200円くらいだった。その時に、メガネは韓国語で「アンギョン」と言うことも覚えた。
ところが9月にベネチアからパリに移動する時、空港行きの水上バスの中でまた切れた。わずか2カ月なのに、やはり安かったからか。パリでホテルに着いて近くを散歩しているとメガネ屋があったので、また買った。今度は4ユーロで500円くらいだが、韓国製に比べるとかなり頑丈にできている。
ちなみに日本で買うと、百貨店でも近所のメガネ屋でも1000円から2000円でだいぶ高い。貴金属を使ったさらに高いものもあるが、あまりそれが目立つと嫌味な感じなので、一番安いものを買う。
このストラップを最初に使い出したのはいつだろうか。昔の写真を見ると、最初の職場のものにはない。どうも新聞社に行って数年たってから、つまり40歳前後から使い出したようだ。最初は遠近両用のレンズにしようかと思ったが、試したらめまいがしたので止めた記憶がある。
さてメガネ自体はいつから使っているのか。小学生の写真にはないが、高校生の写真にはある。たぶん中学校の後半か高校生になって、つまり受験勉強を始めてからだろう。父も母もメガネは使わなかったし、親戚もメガネは少ない。そもそも私の家系にはあまり勉強好きはいなかった気がする。柄にもなく勉強をした私だけがメガネをすることになったのか。
メガネもストラップもとにかく面倒くさい。これからメガネのない人生は可能だろうか。映画を見なければ、近くは見える。映画を教えている間は仕方がないが、それが終わったらもう映画を見るのをやめようか。するとメガネなしの人生ができるかもしれない。ふと、そんなことを夢見ている。
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