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2019年10月28日 (月)

花まるうどんからミクニまで

最近、初めて「花まるうどん」に行った。京橋の13時の試写で席を取った後に20分ほどで食べようと思ったから。これが案外おいしかった。ちょうど高松で食べる大衆向けのうどん屋のように、コロッケなどをセルフで取ってうどんを注文する仕組み。

私は肉うどんの小のほか、野菜かき揚げ、さつまいも天、半熟卵を取ったら、800円ほどに。おいしそうなので思わず取り過ぎてしまったが、なかなかうまい。入店して、無事20分で食べ終わった。

同じような体験を、10年ぶりくらいの吉野家で味わった。私が取ったのは600円ほどの牛ベジ定食。ご飯とお味噌汁に牛皿とグリル野菜皿が付く。野菜はブロッコリ、ピーマン、レンコンなどが思いのほかシャキシャキで触感があった。

昔はファーストフードと言えば、時間がない時に500円以内で健康によくないものを押し込む感じだった。今回食べた2つは、それらより少し高いが一般のお店より安い。何より、牛丼だけよりずっと健康によい。どちらも京橋だったが、時間を取らず、安めで健康的という現代の会社員の要望にぴったりなのかも。

一方、高級なフランス料理店も変わってきている気がする。バブル期には高級店として名を轟かせていたオテル・ド・ミクニにほぼ30年ぶりに行った。四谷で夕食をする必要があったから。一休の予約でフルコース、飲み放題付き8000円があり、安いと思った。

最初はスパークリングワインを使ったカクテルにアミューズ。前菜、魚、肉と相当に凝った料理が次々に現れる。ワインは白と赤を飲んだが、南仏のもので悪くない。周りを見ると、誰もメニューを見ていない。ほかのコースも含めて、みんなコースを頼んでいるようだ。

さすがにこの金額だと高級食材はないが、すずきのグリルも牛ひき肉料理もおいしかった。それに何より、一軒家の豪華な感じは半端ではない。あのミクニもこうやって、安いコースでないとやっていけないのかと思った。

恵比寿の「クニオミ」も変わった。5、6年前にできた時は「ネオ・ビストロ クニオミ」として繊細なビストロ料理を単品で出していたが、今や赤牛のステーキが売りのコースのみになっていた。友人の集まりで食事のみの6000円のコースだったが、肉は柔らかくておいしく、その前のカツオの燻製もなかなかの味。

ただ、飲み放題のコースもあったようで、若い会社員のグループがうるさかった。こちらはワインを別途頼んだが、これが1本5000円台後半からと高め。何とかして利益を上げようとしているのだろう。それに「熊本の赤牛」というのは今風で、若い会社員に受けそう。

高級店は普通の客も安心な定額コース中心にして、垣根を下げてきている。ファーストフードは健康志向で単価を上げている。これが現代の日本かもしれない。

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