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2019年11月20日 (水)

日本はポピュリズムのない国か

「朝日」の昨日の「天声人語」で、アメリカの政治学者が日本に来て「ポピュリズムの台頭が見られない国に来たのはこれが始めてです」と言ったのを読んで驚いた。最近の安倍政権のいい加減さに呆れていたので、日本こそ反知性主義=ポピュリズムが溢れているのではないかと思っていたから。

現在、ポピュリズムの一番の国はアメリカだろう。移民や難民に平気で「自国へ帰れ」という人間が大統領になっている。英国で反EUを掲げているジョンソン首相というのも相当に排外思想が強いらしい。フランスやイタリアやドイツは国の代表は排外主義者ではないが、フランスの「国民戦線」のような排外主義の政党がどこにも台頭している。

この学者によれば、ポピュリズムの特徴は「私だけが国民を代表しており、反対勢力は悪だと決めつける。司法をないがしろにしメディアを敵として扱う。少数者の意見を無視する」。これはまさに安部首相ではないかと思うのだが。

「SNSに現れる社会の分断、経済の停滞、移民への嫌悪」が「ポピュリズムの温床」とその学者は言う。日本では「SNSに現れる社会の分断」はあるが、「経済の停滞」は格差社会の陰に隠されており、「移民への嫌悪」はない。

「移民への嫌悪」は、そもそも現在の日本は移民、難民の受け入れ数があまりにも少なくて、ありえない。入管法が改正されて研修生が増えてあと10年もすれば「移民」が問題になるだろう。大学では既に中国人留学生の数が激増して問題化しているが、「留学生」は社会全体にとっては当面は問題ではないのだろう。

日本でも在特会=在日特権を許さない市民の会があり、ヘイトスピーチを繰り返している。そうでなくても在日コリアンに対してはある程度反発はあるが、それを掲げる政党はない。何十年も住んできたコリアンに出て行けというのは、かなり極端な人々だ。

ポピュリズムの定義は、私は知性の否定かと思っていた。メディアや文化人を嫌い、日本が一番というような頭の悪い人たちのイメージだった。しかし海外では、まず「排外主義」が挙げられるようだ。特に近年の難民に対する反発はすごい。突然外国から難民がなだれ込んできて税金が使われるのだから。

日本は移民、難民が少なすぎて「排外主義」は弱い。在日コリアンは半分日本人だから。そんなわけでアメリカの学者がポピュリズムがない、というのもわかるが、精神的にこの国を現在支配する思想はポピュリズムそのものだと思う。

欧米のポピュリズムは多様性を受け入れる民主主義への反発だが、日本は民主主義以前のポピュリズムかもしれない。

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