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2019年12月

2019年12月31日 (火)

ウェルベック『プラットフォーム』に考える

『セロトニン』を読んでから、ミシェル・ウェルベックの小説にはまっている。西洋批判とスキャンダラスな性描写と退屈な場面が入れ子になったような悪趣味な世界が、妙に心地良い。『プラットフォーム』は2001年に出た本で、当時は全体に漂うイスラム嫌いが不評をかったというが、今読むと私はあまり感じなかった。

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2019年12月30日 (月)

『テッド・バンディ』のマルコヴィッチを楽しむ

ジョー・バリンジャー監督の『テッド・バンディ』を劇場で見た。予告編を見た時に、若い女性を次々に殺した連続殺人鬼なのに女性に人気があったのを見て、興味が湧いた。こういう「詐欺師」は妙に好きだ。

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2019年12月29日 (日)

佐藤優氏が聞くナベツネ

『週刊新潮』は櫻井よしこ氏が連載しているので普通は買わないが、久しぶりに買った。地下鉄の中吊り広告で見たら、萩生田文科大臣のスキャンダルと小保方さんの消息があるうえ、佐藤優氏の「頂上対決」の相手がナベツネだったから。

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2019年12月28日 (土)

『アニエスによるヴァルダ』を見ながら考えたこと

今年は自分にとって重要な人が何人も亡くなったのでほとんど忘れていたが、アニエス・ヴァルダが亡くなったのも今年3月だった。90歳だったというが、3年前のパリでもその元気な姿を見ていたので、亡くなった気がしない。

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2019年12月27日 (金)

久しぶりに現美へ

久しぶりに東京都現代美術館に行った。この美術館は、たぶんこれまでで最多入場者の「ポンピドー・コレクション展」(1996)と田中一光さん没後1年半後の「田中一光展」(2003)で仕事をしたので、ずいぶん通った。1つの展覧会をやると、2年位前から週に1度は行く。

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2019年12月26日 (木)

『ある女優の不在』のパナヒの深化

イランのジャファル・パナヒ監督は、政府から映画製作を禁じられながらもあの手この手で映画を作り続けている。『これは映画ではない』(2011)は大半が監督の自宅の中を撮ったものだし、『人生タクシー』(16)は監督がタクシー運転手に扮してテヘラン市内を回る映画だった。

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2019年12月25日 (水)

佐藤優さんが池田大作の連載を始めた

「朝日」の広告で「アエラ」で佐藤優氏が「池田大作研究」を始めたのを見て驚いた。毎週4ページで35回程度、8月末まで続けるという。慌てて駅で「アエラ」を買った。私にとって佐藤優氏は、その文章をほぼ支持する数少ないインテリだから。

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2019年12月24日 (火)

『カツベン!』を楽しむ

周防正行監督は、いつも知られざる世界を見せてくれる。学生相撲に社交ダンス、痴漢容疑の裁判、終末医療、そして舞妓の世界。いつも、そうかこうなっているのかと頷いてしまう。

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2019年12月23日 (月)

溜まった本をどうするか

昔は「これはタメになりそう」と思った本はすぐに買った。それらの本が後になって役だったこともあるが、大半は読まずに本棚にある。だから最近はめったに本を買わない。おもしろい展覧会を見てカタログを買いたいと思っても、とどまる。もはや家には置く場所がないから。

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2019年12月22日 (日)

『この世界』長尺版の柔らかいイメージ

3年前にヒットした片淵須直監督の『この世界の片隅に』の長尺版『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を劇場で見た。40分近くを新たに足したというが、私は3年前に1度見たきりなので、長尺版を見ても正直なところ最初は全部撮り直したのかと思ったくらい。

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2019年12月21日 (土)

「終わっている」日本について

私は三井住友銀行に口座を持っているが、先日ネット振り込みがうまくいかないので、フリーダイヤルに電話した。口座番号を入れたりしたが、結局は口座のある支店に電話するように言われた。

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2019年12月20日 (金)

映画祭「スポーツの光と影」を楽しむ:3回目

普通、スポーツ映画は『ロッキー』にしても『炎のランナー』にしても、「最後に勝つ」ことが一番のカタルシスだ。ところが今回の映画祭の上映作品はそういう真っ直ぐな映画は1本もない。

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2019年12月19日 (木)

『闘争領域の拡大』とは

ミシェル・ウェルベックの最新作『セロトニン』を読んだら、急にもっと読みたくなった。ネットで文庫を3冊注文して、まず最初の長編『闘争領域の拡大』を読んだ。「闘争」「領域」「闘争」というこの固い言葉ばかりの小説らしくない題名は原題と同じ。

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2019年12月18日 (水)

映画祭「スポーツの光と影」を楽しむ:続き

学生企画の映画祭が明日まで開催中だが、私もこの機会に何本も見る。選ばれた映画は当然学生たちは見ているが、私は見ていないものもあるから。この映画祭には「スパルタ」を含む題名の映画が2本ある。『スパルタ教育 くたばれ親父』(1970)と『スパルタの海』(1983)。

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2019年12月17日 (火)

柴田駿さんが亡くなった:続き

映画界では、柴田駿さんについて複雑な思いを持つ人が多い。フランス映画社はあれほど世界のすばらしい監督を紹介してきたのに、ほかの会社がその監督の作品を買おうとすると邪魔をする、という話をよく聞いた。

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2019年12月16日 (月)

『パラサイト』の何がおもしろいか

27日公開のポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』を試写で見た。実は見たのは10月でまだ試写が始まったばかりだったが、満員の盛況だった。今年のカンヌでパルムドールを取った話題作で、例えば是枝裕和監督は「「見ろ!」としか言えないし、「面白い!」としか言いようがない」とコメントを寄せている。

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2019年12月15日 (日)

喪失の1年:柴田駿さんが亡くなった

今年は私に大きな影響を与えた人々が次々にいなくなった。1月に母が、6月に吉武美知子さんが、11月にジャン・ドゥーシェさんが亡くなったが、柴田駿さんも逝ってしまったニュースが一昨日流れた。柴田さんはフランス映画社の社長だった。

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2019年12月14日 (土)

映画祭「スポーツの光と影」を楽しむ

私の学生が企画した映画祭「スポーツの光と影」で、イランのジャファール・パナヒ監督『オフサイド・ガールズ』(2006)を見た。パナヒ監督は現在では映画製作と国外渡航を禁じられているが、それでもいつの間にか映画を作って海外の映画祭に出している。

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2019年12月13日 (金)

渋谷で展覧会2つ

渋谷に映画を見に行ったついでに、散歩がてら渋谷区立松涛美術館に行った。ここは1995年に私が企画した展覧会「映画伝来」を開催した美術館なので、あの白井晟一建築の建物には愛着がある。入口は要塞みたいだが中は個人の邸宅のようで、展覧会場は2階と地下1階に分かれていて、あまり広くない。

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2019年12月12日 (木)

ようやく『象は静かに座っている』を見た

中国の胡波(フー・ボー)監督『象は静かに座っている』をようやく劇場で見た。3時間54分という長さもあって、去年の東京フィルメックスでも試写でも躊躇していたが、脚本家の青木研次さんに「すごいよ」と言われて見ることにした。

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2019年12月11日 (水)

ウェルベック『セロトニン』に焦る

フランスの小説家、ミシェル・ウェルベックの最新作『セロトニン』を読んだ。彼の小説は『素粒子』の映画化作品をドイツ映画祭で上映した時から読んでいるが、シャルリー・エブド編集部襲撃事件の日に出た『服従』が好きだった。

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2019年12月10日 (火)

『台湾、街かどの人形劇』を見る

ドキュメンタリー『台湾、街かどの人形劇』を劇場で見た。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)のプロデュースで、彼の映画『戯夢人生』で描かれた李天禄の息子を撮ったものというのがとっかかりだが、「読売」で恩田記者が評価していた。

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2019年12月 9日 (月)

鏑木清方の明治情緒

竹橋の東京国立近代美術館で15日まで公開の「鏑木清方 幻の《築地明石町》特別公開」を見に行った。これは常設展の一角を「特別展示」として鏑木清方の作品を10数点展示したものだが、金曜の夜間開館でもずいぶん混んでいた。

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2019年12月 8日 (日)

『イエスタデイ』を楽しむ

ダニー・ボイル監督の『イエスタデイ』を劇場で見た。実は年末のベストテンを書かねばならず、どんな映画があったかと調べていたら、「日刊スポーツ映画大賞」の外国映画にノミネートされた5本の1本だったから。

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2019年12月 7日 (土)

喪失の1年:続き

フランスの映画評論家のジャン・ドゥーシェさんが11月に亡くなってから、彼の言葉が時々ふっと蘇る。たぶん9.11の直後だったと思うが、夕食でアメリカのアフガン攻撃はおかしいとドゥーシェ氏が言った時に私は何気なしに「最近は海外のニュースはあまり追っていない」と言った。

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2019年12月 6日 (金)

『ドクター・スリープ』に退屈する

もともとホラー映画はSF映画以上に苦手だ。むやみやたらにアクションや音響で迫ってくると引いてしまう。もちろん、スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』(1980)は例外で、彼の映画は精神的な深みが違う。

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2019年12月 5日 (木)

『小津安二郎 サイレント映画の美学』を読む

滝浪佑紀著『小津安二郎 サイレント映画の美学』をようやく読んだ。前にもここで書いたように、最近は30代、40代の若手の映画研究者が自分の博士論文を基に分厚い本を出すことが増えているが、1977年生まれの著者によるこの本もその1つ。

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2019年12月 4日 (水)

『水と砂糖のように』を楽しむ:続き

この映画には有名監督が続々と出てくる。ケン・ローチ、ヴィム・ヴェンダースは相当の長い時間話すし、パオロ・タヴィアーニ、フランチェスコ・ロージ、カルロ・リツィアーニ、リナ・ベルトミュレール、エットレ・スコラ、ジュリアーノ・モンタルドなどのイタリアの監督から、フォルカー・シュレンドルフ、ミーラ・ナイール、ニキータ・ミハルコフ、アベル・フェラーラまで少しずつ出てくる。

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2019年12月 3日 (火)

タクシーの夢

昔からタクシーによく乗った。会社員時代はタクシー券があったし、新聞社の終わりの2、3年はタクシー券がなくなったが、領収書でお金が戻ってきた。さすがに大学では、タクシー代は「経費」として申請できない。

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2019年12月 2日 (月)

『水と砂糖のように』を楽しむ

イタリアの撮影監督、カルロ・ディ・パルマをめぐるドキュメンタリー、『水と砂糖のように』を見た。彼の名前を意識したのは、実は2004年7月に亡くなった時だ。当時イタリア映画祭の作品を選んでいた私は、イタリアの地方都市で毎年夏に開かれる外国人映画バイヤー向けの上映会に参加していた。その年はたぶんコモ湖だった。

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2019年12月 1日 (日)

都写美で写真展2つ

恵比寿で映画を見たついでに、東京都写真美術館で写真展を2つ見た。「山沢栄子/私の現代」展は、1899年生まれで1995年に亡くなった女性写真家のパイオニアの個展だが、私は名前を聞いたことがあるくらいだったのでその遍歴と写真の幅の広さに驚いた。

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