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2019年12月 3日 (火)

タクシーの夢

昔からタクシーによく乗った。会社員時代はタクシー券があったし、新聞社の終わりの2、3年はタクシー券がなくなったが、領収書でお金が戻ってきた。さすがに大学では、タクシー代は「経費」として申請できない。

しかし外で酒を飲んで帰りにタクシーに乗るのは、会社員時代よりも多くなった。年を取って疲れやすくなったこともあるし、酔って電車に乗ってヘンなことをしないか不安でもある。暴力でもセクハラでも大学教授だとどこで教え子が見ているかわからないし、ニュースにもなりやすい。

そんなこんなで、夜酔っぱらってタクシーに乗る。すると遠回りをしたとか、口の利き方が気に入らないとかでいつの間にか絡んでいることもある。おおむね運転手さんは慣れているから聞き流すが、ときおり口論になる。

時にはヘンな運転手もいて、やたらにこちらのことを聞きたがったり、昔の歌謡曲をかけたり。会社員になりたての頃に、いきなりお経を流されたこともあった。たぶんこちらが緊張してタクシー券を握りしめていたので、からかったのだろう。いずれにしても全く知らない相手と、突然狭い密室空間で1対1になるというのがタクシー。

先日見た夢で、タクシーの運転手が走行中にドアを開けて「降りろ!」と怒鳴ったことがあった。その前に私が何か言い過ぎたようだ。私は「じゃあ、降りるぞ」と大声で言って、自分の声で目が覚めた。なぜ「降りろ!」と言われたのかどうしても思い出せない。

これまでタクシーの運転手には酔ってさんざん妙なことを言ってきたので、罪の意識が溜まっていたのかもしれない。実はタクシーの運転手を無意識に恐れていて、いつか怒られると思っていたのだろう。

先日、授業で溝口健二の『祇園の姉妹』(1936)を見ていて「あっ」と思った。主人公の芸妓・おもちゃ(山田五十鈴)がタクシーに乗ると、騙した呉服屋の番頭が助手席に隠れていてにゅっと顔を出す場面だ。おもちゃは乱暴をされると思って、タクシーから飛び降りて、大けがをする。

これはまさに「タクシーの恐怖」だった。日頃悪いことをしていると、タクシーでとんでもない目に遭う。考えてみたら「乗ったタクシーの運転手が実は」という映画は多い気がする。朝のヘンな夢について考えていたら、また映画の話になった。

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