結局、『スター・ウォーズ』を見る
もう見ないと決めていたが、友人が今度はいいというので『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を劇場で見た。1978年の第一作公開時は見ておらず、ずいぶん後でテレビで見た程度。大学に移る時に一応第一作と第二作をDVDで見たが。その後は最近の『フォースの覚醒』や『最後のジェダイ』は劇場で見た。
その2本に比べると、今回は完結感が強いというか、何となく収まりがいい。強いフォースを持つレイ(デイジー・リドリー)の正体が明かされるし、カイロ・レンはダークサイドから抜け出す。さらに最後に「民衆」が立ち上がって、謎の惑星エクサゴルで帝国軍(=ファースト・オーダー?)を打ち破る大アクションがある。そのうえ、キャリー・フィッシャーやマーク・ハミルやハリソン・フォードといった懐かしの親世代の俳優もきちんと出てくる。
見ながら思ったのは、これは「貴種流璃譚」だったということ。レイは実はダークサイドの親玉の娘で祖父は王女に迎えようとしていた。カイロ・レンは反乱軍のトップの息子ながら、いったんダークサイドに行く。最後は2人が協力して帝国軍に勝つ。
つまり尊い生まれの者がいったん親から離れて、最後は正義を実行するというもので、世界各地の民話にある類型だ。レイは辺境の惑星でくず鉄を拾っていた「名もない女」だったはずなのに、結局彼女も高貴な生まれだったというのは、いかにも保守好みの展開に思える。
もう1つは帝国軍の表象がナチスに近いこと。黒い服や旗などがそうだし、将軍たちはみんなブロンドの白人だ。反乱軍を「レジスタンス」と呼ぶのは、明らかにナチスドイツに抵抗したフランスの「レジスタンス」運動から来ている。いまだにナチスの亡霊が西洋人には彷徨っているのだと痛感した。もちろん70年代後半から80年代の最初の三部作の頃の標的はソ連だし、今は中東だろうが。
それに対する反乱軍は、白人、黒人、アジア人のみならず、宇宙人や機械人間も仲良く共存している。たぶん80年代前後の近未来像に、人間が宇宙人や機械と仲良くなることができるという幻想があったのだろう。『未知との遭遇』(77)や『ET』(82)などはその典型だ。未来の反乱軍が立ち向かう相手がナチスや中東というのもヘンだけど。
C-3POなどの機械人間たちも出てくるライトセーバーなどの道具も、まるで夜店のおもちゃのようだ。そんな80年代的なキッチュに満ちたこのシリーズは、ナチスの表象も含めてやはり20世紀精神なのだと思う。80年代に学生生活を送った私はそのノスタルジアに逆らえないが、今の若者はどうなのだろうか。
付記:手違いで昨日午前中にこの草稿が4時間ほど出た。
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