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2020年2月28日 (金)

小中高を閉じるとは

昨日27日(木)夜の報道で、安倍首相が来週から小中高校に休校を要請したのには驚いた。26日(水)に突然、文化やスポーツのイベントの自粛を要請し、27日から国立博物館4館が休館を決めたのにびっくりしたばかりだった。

博物館を閉めても、小中高校を閉鎖しても、あまりコロナウィルス蔓延の防止にはならないだろう。既に多くの声が上がっているように、学校が急に休みになると困る親が続出する。

個人的に元イベント屋の私が考えたのは、博物館を閉めたら、開催中の展覧会の主催者は大損するが誰が責任を取るのだろう、ということ。例えば今、東博の「大和と出雲」展は本来ならば3月8日までの開催だった。平成館の特別展は共催するマスコミが全費用を負担し、入場料で取り戻すものだが、今回のNHKと「読売」は大損をすることになる。終盤の2週間というのは、展覧会では一番のかきいれ時なのだから。

それと思うのは、海外から日本の美術を見に来た観光客は、東博の誇る常設展示の所蔵作品を見られないことになる。これは本当に残念だと思う。博物館、美術館は確かに閉ざされた室内ではあるが、誰かと接触することも話すこともまずない。スポーツクラブや映画館や居酒屋に比べても、何十倍も安全だと思うのだが。

東博の館長は文科省からの天下りだが、京都や奈良や九州は違うはず。各館で冷静に判断すればいいのに。博物館に続き、昨日国立近代美術館などの「国立美術館」6館も29日からの休館を決めた。これに属する国立映画アーカイブも含まれる。ここは完全に密室空間で長時間拘束だから、たぶん美術館よりずっと危ない。

だが、映画館で休館を決めたのは、今朝の時点で文化村ル・シネマと岩波ホール、早稲田松竹のみ。シネコンは、美術館・博物館と違って閉めると業界全体が食えなくなるので、政府から具体的な要請があるか実際に患者が行ったと言うまでは続けるかもしれない。

電通の社員に陽性が1名出て、汐留の本社では原則「在宅勤務」になったという。新聞社にいたのでわかるが、新聞やテレビの広告の手配はどうするのだろうか。もちろん制作は別の会社なので、当面は電話とメールでできなくはない。新聞は仮に写真や原稿はメールで送るにしても、少なくとも印刷と発送は人手がないと動かない。もちろん記事は基本的に取材なしではできない。

資生堂などほかの会社も在宅を勧めているせいか、今、電車はすいている。会社員以外も「不要不急」の外出をみんなが止めたからだろう。百貨店は中国人が激減したこともあり、大赤字になるのではないか。たぶんスーパーの収益は減らない。これは必要不可欠だから。むしろ買いだめで増えるかも。

博物館はいらない、学校はいらない、広告もいらない、新聞もネットで十分、服も化粧品も装飾品もいらない、当面必要なのは食料品を中心とした生活必需品だけとしたら、産業の8割は瓦解するのではないか。みんなが無駄な出費をするから世の中が回る。少なくとも資本主義はその前提で動いている。それをなくしたらと考えると、その先に恐ろしい世界が広がっている気がする。

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