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2020年2月 5日 (水)

韓国を知るための読書:その(1)『韓国を支配する「空気」の研究』

韓国について、私はわからないことが多すぎる。なぜ人気だった日本製ビールの輸出がゼロに近くなるほど日本嫌いが進んでいるのか。昨年7月に私がソウルに招かれた時の知的で温かい歓迎との差は何なのか。そんなことを知りたくて、牧野愛博著の新書『韓国を支配する「空気」の研究』を手に取った。

この本を知ったのは、友人の韓国通がフェイスブックで紹介していたから。筆者は私より少し若く、「朝日」の記者だが面識はなかった。ソウル支局に2度勤務しており、現在は東京にいるようだ。

本屋で「まえがき」を読んで気に入った。「気がつけば、日本と韓国の関係は坂道を転げ落ちるように悪くなっていった。いくつかの原因があると思うのだが、そのうちの1つは、社会的に権威のある人たちが公然と相手の国を批判するようになったからではないかと思う」「私はそのような「空気」の変化を十分に、ソウル発の原稿に込めることができなかった」

「ただ、誰よりも多くの韓国人と言葉を交わしたという小さな自負を持っている」。これは記者として一番大事なことだが、多くの「特派員」は勤務国の大手紙を要約し、大物にインタビューするのに必死だ。では彼が会った人々は何を語ったのか。

一つは確証偏向症=確証バイアスで、「自分の信念や主張を強く信じる余り、反論に関する情報には目を向けようとしない状況を意味する」。これはSNSによってさらに進む。日本も同じだが。GSOMIAの破棄を韓国が凍結した時、日本も韓国も自慢したが、アメリカの圧力に両国が折れただけで、「日本人として余りに情けない。きっと韓国人も同じだろう」

今、韓国で日本製品が売れないのは「ヌンチをみる」(=空気を読む)状況だからだという。「2018年に日本を訪れた韓国人は約750万人。じつに国民の7人に1人が日本を訪れた計算で、「日本が好きだ」と考える韓国人はとても多い。そして日本人に比べると自由な行動を好むと言われる韓国人だが、日韓関係になると、とたんに「ヌンチ」をみてしまうのだという」

「今回の不買運動の特徴の1つは若い世代の参加だと思う。確かに日本製ビールもユニクロも、若い世代がヘビーユーザーだ」。ソウルで若い人と話すと「過去の問題で日本にもやもやした気持ちがたまっていた。それが今回の輸出規制で爆発したのだと思います」「日本は過去、ウリナラ(我が国)を支配したことがあり、文在寅は言うべきことを言った」

「学校現場でも、保守の朴槿恵政権時代には日本の経済協力をもとに高度成長に成功した「漢江の奇跡」をより評価する動きが起きたし、文在寅政権はその動きをすべて白紙に戻した」

これが今の韓国のヌンチ=空気だとすると、政権が変わらないと日韓関係の改善は難しいかもしれない。実はまだ第1章しか紹介していないので、続きは後日。

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