もう一度『パラサイト』を見る
「『パラサイト』アカデミー賞四冠の意味」について原稿を書くために、もう一度劇場で『パラサイト』を見た。前に見たのは試写室の小さなスクリーンで10月初めだったから、かなり記憶が薄れていた。
そのうえ、「監督からのお願い」でキム家の「兄妹が家庭教師として働き始めるところ以降の展開を語ることは、どうか控えてください」と書かれていたので、あまり中身を論じることができなかった。確かにこの映画は後半の展開は知らずに見た方がおもしろいと2度目見てつくづく思ったが、今日は少し後半も書く。
不思議なのは、書かないとストーリーを忘れてしまうことだ。私自身、後半の惨劇がどう終わったか、最後のエピローグがどうなったかの正確な記憶が飛んでしまっていた。
まず、最近読んだ『韓国を支配する「空気」の研究』を思い出すシーンや言葉がいくつもあった。半地下に住むキム一家の長男ギウが妹の美大を目指す妹のギジョンに作らせる偽の卒業証書は延世大のものだった。あの本でSKYと呼ばれるエリート校3校の1つ。ちなみにポン監督もその大学の出身だが。
それからソン・ガンホ演じる父のキム氏は、かつてチキン屋や台湾カステラの店をやったと話すくだりがあった。彼らが食い物にするパク家に長年勤めた家政婦の夫も、かつてチキン屋(ともう1つは何か忘れた)をやったという。『韓国を支配する「空気」の研究』によれば、韓国は「街を歩けばチキン専門店にぶつかる」「自営業で人気があるのが、コーヒーショップとチキン専門店」
チキン屋をやったというだけで、キム家の状況がわかるのだろう。彼らは今は一家4人で宅配ピザの箱を組み立てているが。母のチュンスクが元ハンマー投げの選手というのも、例の本によればスポーツのエリートが大事にされる韓国で、かつてそれに近づいた「過去の栄光」を見せて物悲しい。もちろんそのために彼女が力持ちというのがストーリーに重要なのは、『グムエル』でペ・ドゥナ演じる妹がアーチェリー選手なのと同じ。
もちろんパク家が家庭教師を娘と息子にそれぞれ雇うのも、金持ちの象徴だ。そのうえ、その妻ヨンギョは会話のあちこちに英語を交える。息子が夢中になっているインディアンごっこも含めて、アメリカ文化に浸るブルジョアへの痛烈な皮肉だろう。
キム家の息子と娘がうまくパク家での教師を始めた後、ソン・ガンホ演じる父もタクシー運転手として滑り込もうとする。そこで「38度線以南ならあらゆる道路を知っています」と自慢するのも、家政婦が北朝鮮のアナウンサーを真似るギャグを見せるのも、北朝鮮ネタで何とも興味深い。
この映画は貧乏なキム家4人がパク家の豪邸にうまく入り込んだところまでで約1時間。パク家がキャンプに出かけて一家でくつろいでいる場面から、映画は一挙に二転三転する。やはりこれについては触れないで置こう。「論座」は昨夕アップされたので、ご一読を。
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