『韓国を支配する「空気」の研究』についてもう1度
牧野愛博著『韓国を支配する「空気」の研究』について、もう少しまとめる。これはよく聞くが、韓国は受験や就職が厳しいために若者には日本以上の「格差社会」が広がっている。「ヘル朝鮮」(ヘルチョスン)という言葉が流行っているそうだ。
SKYとはソウル大、高麗大、延世(ヨンセ)大の難関3大学を指し、この3つに入らないと大企業や官僚は難しいらしい。法相の曺國がスキャンダルで大騒ぎになったのは、娘を不正で高麗大に入れたからという。SKYに入るために、小学生から夜10時まで「学院」と呼ぶ塾に通うのはザラだし、裕福な家庭は英語の個人レッスンを受けさせるらしい。
勉強ができなければ、スポーツのプロ選手を目指す。「韓国は五輪メダリストらに最高で月額100万ウォン(約10万円)の生涯賃金を支給していた」。まるでかつての社会主義国だ。
「こうして勉強ならSKYを、スポーツなら有名プロ選手をそれぞれ目指すなか、最終的に就く職業に上下のランクが生まれる」「名刺交換をするとき、大企業に勤めている人たちは、やたらと企業の名前を出したがる」
「若い人たちは韓国社会に絶望し、海外移住や外資系会社への就職を夢見る」。私の大学で韓国からの留学生がみな日本での就職を目指すのは当然だったのか。あるいは、アカデミー賞を制した映画『パラサイト』の半地下生活と豪邸の格差社会や個人レッスンは、韓国では普通だったのだと改めて思う。
働き始めても「韓国はツテとコネが重要な社会だ」「韓国の人々は今でも、初めて会った人に必ず、3つの質問をあいさつ代わりにする。「何歳ですか」「故郷はどこですか」「どの大学を出たんですか」。大統領が変わると、出身地や出身大学の関係者がずらりと閣僚に並ぶという。
「韓国は東側の慶尚道と西側の全羅道に大別される。1948年の建国以来、慶尚道出身の大統領が相次いだこともあり、高速道路や鉄道などの敷設はいつも慶尚道の方が全羅道よりも早かった」
朴槿恵の父、朴正熙元大統領が「作り出した独自の気風がある。「パルリパルリ(早く、早く)文化」だ。韓国の人たちは、色々な場面で急いだり、慌てたりする」「朴正熙政権は、それまでアフリカの最貧国並だった経済規模を劇的に改善した」。「漢江の奇跡」だが、その基本が「パルリパルリ」。私自身も「早く、早く」があるので笑ってしまった。
要するに、韓国は先進国にもかかわらず、ある種の前近代性というか、土着の田舎っぽさがあるようだ。それは戦後長い間軍事政権が続き、今も兵役があるような地理的歴史的な理由が大きいのだろうか。今日はここまで。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 遠藤周作『留学』に考える(2026.02.01)
- 『観る技術、読む技術、書く技術。』に驚く(2025.12.31)
- 宮下規久朗『戦争の美術史』を読む(2025.12.21)
- 『ヌーヴェル・ヴァーグ』に対するコメント(2025.12.17)
- 『昭和の遺書』に泣く(2025.12.13)


コメント