コロナ騒ぎで何が変わったか:その(5)
昨日の夕方6時頃、スーパーに行って驚いた。玉ねぎ、じゃがいも、人参といった「いつもある野菜」の棚がすっからかんで一つもなかった。何か大変なことでも起こったのかとネットを見たが、特に何もなさそうだ。
買物を終えて自宅のパソコンでいろいろ見ると、昨晩に小池都知事が週末の外出自粛を要請したことで、このパニックが始まったようだ。ある知り合いはフェイスブックで、スーパーのレジで1時間並んで1週間分の食材を買ったと自慢気に書いていた。
完全な外出禁止令を出しているイタリアやフランスでさえも、スーパーは開けている。何で週末の外出自粛だけでパニックになるのか。トイレットペーパーも同じ。本当に情けない。やはり小池都知事の「事態の今後の推移によっては、都市の封鎖、いわゆるロックダウンなど、強力な措置を取らざるをえない状況が出てくる可能性がある」という大袈裟な発言が大きかった。
さらにネットを見たら、TOHOシネマズや松竹系のピカデリーやMOVIXがこの土日に閉じると書かれている。アート系はやるのかと思ったが、現在営業中のユーロスペースやル・シネマや新宿武蔵野館も土日は閉めるらしい。開きそうなのは、シネスイッチ銀座やK’Sシネマくらいか。
映画館は「興行組合」=東京都興行生活衛生同業組合に属している。以下は昨日その理事長名で出た文書で、ほとんどの映画館はそれに従った。
「昨晩、東京都知事から発表されました『週末の外出自粛要請』に関して、現時点では東京都及び東京都福祉保健局から、興行場に対する具体的な指示・要請はでておりませんが、『外出自粛』の観点より、今週末(28日、29日)の営業に関して、あらためてご検討いただけますようにお願いいたします。営業を継続される場合に関しても、感染症予防の観点から最大限の配慮を要請します。」
都からの指示・要請は出ていないが自粛しましょう、という「忖度」を勧める文書で、これを受け取ったシネコンや映画館が長いものには巻かれろと従ったのだろう。
私の考えではもっと安全なはずの美術館・博物館の大半は、世田谷美術館などの区立や永青文庫などを除いて2月末から閉めている。映画業界と違って美術館の職員や学芸員は公務員だから、休館でも給料はもらえるから簡単に閉めるのだろうが。せめて入場者の少ない東京国立博物館や東京国立近代美術館の常設展は開けたらどうだろうか。
不思議なのは、外出の危険度の優先順位がどこにも書かれていないこと。今もスポーツクラブやカラオケや居酒屋は普通に開いている。スーパーやデパートでの買物や見るだけの花見より、美術館の方がずっと安全のはず。いずれにせよ小池都知事は「指導力」を見せてずいぶん目立っているから、7月の都知事選でも再選されるだろうと考えたら、暗くなった。
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