コロナ騒ぎで何が変わったか:その(11)新聞の映画面
このブログをお読みの方はご存知の通り、私は金曜日は、朝日、読売、毎日、日経の夕刊各紙を駅の売店で買う。コンビニでは夕刊は売っていないし、最近は駅の売店が減ったが、何とか探す。もちろん映画面を読むためで、昨日も買ったが今回は異変があった。
それは予感していた。都内の映画館は8日(水)から一斉に閉めた。小池都知事の「要請」を受けてのことで、2回の土日閉館もそうだったようにおそらく都の興行組合が各劇場に指令を出したのだろう。
そうすると当然ながら都内では映画は見られない。金曜の映画面は作るのかと心配していた。ところが買ってみると、ほとんどの新聞が一見従来通り。ただしよく見ると違う。日経は『白い暴動』と『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』が大きな映画評だが、ともに「公開中(一部で休映)」。
毎日は一番大きいのが『劇場』。次が『アドリフト』『オーバー・ザ・リミット』『プラド美術館』の3本だが、すべて「近日公開予定」として劇場名が書かれている。ところが『劇場』は「東京・TOHOシネマズ、大阪あべのアポロシネマほか」と書かれている。どちらも数日前から閉まっているのだからこの表記はまずいだろう。
朝日は一番大きな『凱里ブルース』が「東京で5月9日公開予定」。次の『ウェイブズ』は「各地で近日公開」、『最高の花婿 アンコール』は「東京は休館中、順次各地で公開予定」、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は旧作だがと思ったら、「BSプレミアム13日昼1時放送。2016年11月の評を再掲」!もう何でもあり。
読売は大胆に映画評をなくした。「チェック・トゥ・ザ・フューチャー」と銘打ち、「再び、映画館で映画が楽しめる日が来るまでに見ておきたい名作を、映画を愛する方にお薦めしてもらいましょう」として渡辺祥子さんが「007」シリーズの魅力をほぼ全面で紹介していた。短評欄は「オンライン」で『天国はまだ遠い』とDVD2本の紹介。
とりあえず、読売に一番工夫が見られた。1か月後に(たぶん)見られる映画の批評は、新聞にはふさわしくない。この機会に映画面とは何かを再検討した方がいい。さて来週はどうなるのか。
いまや試写もなくなった。新聞や雑誌やテレビの新作の映画の紹介がなくなると、映画の宣伝に携わる人々は仕事がなくなる。そもそも新作を出そうと準備していた配給会社も資金繰りがもたなくなる。カンヌなどの映画祭もなくなって新作も買えない。
全国のミニシアターが存続の危機にあるということを朝日新聞デジタル「論座」に書いたので、ご一読を。今回は全文無料公開。
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