コロナ騒ぎで何が変わったか:その(8)
高校生の終わりか大学生の初めに影響を受けた本に加藤周一の『雑種文化 日本のかすかな希望』があった。「雑種文化論」として有名だが、簡単に言うと、日本は昔から世界中の文化を真似しながら自己流に変えてきたというもの(のはず)。
当時は「日本文化」が実は「雑種文化」だと読んで、拍子が抜けた気がした。日本文化には万葉集、法隆寺、千利休、写楽、西鶴、漱石など何でもあると思っていたが、根本は外国のマネに過ぎないと書かれていたから。特に哲学に弱く、強いのは細部の描写だと。日本人は今も昔も外国文化を崇拝しているのかと、がっかりした。
この本のことを考えたのは、コロナ騒ぎで出てくる言葉に四字熟語とカタカナが多いと思ったから。都市封鎖=ロックダウン、感染爆発=オーバーシュート、感染集団=クラスター、医療崩壊(これはカタカナはなさそう)などなど。
ネットでは「オーバーシュート」は英語圏では使っていない和製英語だと書いている人も多い。そんなことはどうだっていいのだ。そのことを一番わかっているのが小池知事で、わざわざパネルに都市封鎖やロックダウンの文字を書いてテレビで見せた。だから急にみんなスーパーに走った。
とにかく漢字の組み合わせ、とりわけ四字熟語に我々は刺激される。医療崩壊と聞くと、病院で重症患者が何時間も待ち、医師や看護師が死に物狂いで走り回る姿を思いうかべる。あるいは体育館やテントに並ぶ大量のベッド。日本はそうなってはいけないと焦る。
一網打尽、危機一髪、緊急事態、紆余曲折、前代未聞、油断大敵、自己責任などなど、四字熟語は激しい言葉に多い。それから外国語から来たカタカナも大好き。古来から中国、インド、韓国などアジアの文化を崇め、この150年は欧米の文化をサル真似してきたわれら日本人の習性は直らない。
最近のIT関係の革新はFBもグーグルもアップルもアマゾンもおよそアメリカから来ているが、教育関連ではこのコロナ騒ぎで遠隔授業、オンライン授業が急に話題になっている。これまたアメリカから、ZoomやグーグルのClassroom、Hangouts meetなどを使った授業がやってきた。最初は話題だったが、先週末あたりから多くの大学でそれを利用した授業を準備するよう要請が来ている。
もともと大学は連休あたりまで休めばもう大丈夫だと思っていたが、そんなに甘くないことがわかり、急遽今の期間はオンライン授業の準備期間になってしまった。私もZoomをダウンロードしたが、何と大学から貸与のPCにはカメラがついていない!結局、4年以上前に買った自分のPCを使う羽目に。
外国と仕事をしている友人はみんなZoomでテレビ会議をしている。やはりみんな外国のマネ事が大好きだ。
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