美術館はどこが、いつ、どう開けるのか:続き
地方では既に先週末から公立の美術館・博物館が開き始めたが、大都市での再開もだんだん始まりつつある。5月26日(火)から京都市京セラ美術館と大阪市立美術館が開くことが発表された。ここで驚いたのは、京都市京セラ美術館の入場方法。
入場の規則はここに書かれているが、簡単に言うと、事前予約制で30分ごとに50人受け付ける。予約時に氏名、電話番号が必要で入場時に体温を測る。1回の入場につき1時間の滞在をメドとする。一番の驚きは、京都府以外からの観客を認めないこと。
この美術館は1933年にできた帝冠様式の古い建物で、その少し前にできた東京府美術館(今の東京都美術館)が戦後改築したのに、ここはそのままだった。主に画壇の団体展や新聞社の大型展に貸し出す会場だったが、この3年ほど休館して、建築家の青木淳がリニューアル改装をした。
「京セラ」と名がつくのはこの改装に際して命名権を売ったからだが、再開は貸し出すのではなく、自主企画で始まる。青木淳の改装も楽しみだし、企画展の「杉本博司展」も豊富な日本画を持つコレクション展も良さそう。本来は4月初めの開館が伸びに伸びた。
まず30分ごとに50人だと10時から17時で1日700人しか入れない。明日から予約がネットと電話で始まるが、大変なことになるのではないか。1日700人だと新聞社やテレビ局の大型展がとてもできない。「混んでいるな」という展覧会は1日3000人、「押すな押すな」が5000人、「1時間待ち」が10000人というのは、私は業界にいたからわかる。
この美術館は京都市のものだが、京都府民以外は入れないというのも大胆だ。確かに私も行きたいと思ったくらいだから、有効ではあるだろうが。例えば大阪や奈良に住んで京都で働く人もダメなのだろうか。いろいろ考える。明日の電話受付は抗議も含めて大騒動だろう。
大阪市立美術館の方は、これまでの建物での再開のせいか、HPを見る限り予約制はない。ただし「健康チェックシート」に住所、名前、体温などを書かせられる。一応「大阪府以外からの来館はお控えください」とは書かれているが、京都のように厳しい文面ではない。
国立では大阪の国立国際美術館が6月2日(火)の再開を発表した。今のところ事前予約制は書かれていない。さて東京はいつから、どのようになるのか。噂では6月初めか半ばで、国立や都立は日時指定制になりそう。
ここでも何度か書いたように私は新聞社などのマスコミ主催の展覧会はもうやめるべきだと言い続けてきた。最近、そんな内容の『美術展の不都合な真実』という新書まで出した。しかしコロナ禍で、それらはたぶん自然消滅しそうだ。なんという皮肉だろう。
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