オンライン授業でわかったこと:その(4)
オンライン授業も2週目に入って慣れたので、これからは自宅からやるかと思っていたが、大学に行ってよかった。Meetで生中継で話している時に、パソコン画面がフリーズしてしまったのだ。画面が真っ黒でどこを押してもそのまま。
授業が始まったばかりだったので、近くにいた助手に課題の説明をしてもらい、その間に機械にくわしい若い先生の助けを借りてパソコンを調べた。単純にインターネットの画面をすべて閉じて再度開いたら元どおり。ものの5分で再開できたが、これとても自宅にいたらスムーズな対応はできなかっただろう。
おそらくスイッチを切ってまた入れ直したり、再起動したりしたのではないか。そうすると学生は何もせずに待つことになる。やはりチームワークはありがたい。そもそも大学から支給されたパソコンにはカメラが付いていないので、4年半前の自分のパソコンでやっているのに無理があるか。
先日の授業で始めたのは、リンクを貼ってユーチューブを見てもらうこと。これまでは映像をパソコンにダウンロードしておいて、それを教室のスクリーンに投射した。オンラインで自分のパソコンからその配信をやろうとすると、学生は映像がカクカクでよく見えないのは前に話した通り。
そこでMeetのチャット画面にリンクを貼って「はい、今から各自見てください」とした。「見終わったら、教えてください」と書くと、「見ました!」「楽しかったです」と送ってくる。これまでは教室で私が映像を見せると、寝る学生、スマホを見始める学生が2割はいた。ところが各自がリンクで見ると、自主性が出てくるのかみんな見ているようだ。
アニメ作家の山村浩二氏がソーマトロープという映画前史のおもちゃを説明している動画を見せて「これは有名なアニメ作家だが、わかった人は書いてください」と書くと、始まったとたんに名前を書いてくる学生がいる。普通の教室で「知っている人?」と聞いても遠慮して答えないが、チャットだとすぐに反応する。
授業のなかでいくつかのリンクを貼っておくと、その時間はこちらは次の準備ができるのも便利。みんなは動画を見ているから、こちらは何をしてもわからない。慣れさえすれば、ネット授業の方が教壇からの講義よりもスムーズかも。
授業の数日前に、「読んでおいてください」と短めの文章をスキャンしてアップしておくことも始めた。すると授業が終わっての感想に「昨日読んだら難しかったが、授業を受けたら意味がわかった」と書かれていてちょっと嬉しい。これは予想以上に双方向の授業ができるではないか。少なくとも学生はPCやスマホを操作することで、教室でじっと聞いているだけよりもある種の現代的な自主性が生まれるような気がする。
まだまだ10日目なので、何が起こるかわからない。あっと驚く大反撃が来るかもしれないので、お楽しみに。
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