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2020年5月27日 (水)

オンライン授業でわかったこと:その(5)

オンライン授業を始めて驚いたのは、学生の出席率がかなりいいことである。もちろん教室ではないので、実際に顔を見るわけではない。グーグルのMeetの画面に入場者数が出るからわかる。10人~20人の授業だとほぼ全員出席。

200人前後の授業でも9割以上出ているので驚きだ。もちろんパソコンやスマホでポチリとキーを押せば出席なので、実際はその後寝ていたり、テレビを見ているかもしれない。それでも押すだけすごい。

普通の対面授業だと7、8割か。私が大学生の頃は大人数の授業は半分もいなかったが、今は時代が違う。学生も先生もずいぶんまじめになった。それはさておき、なぜオンライン授業だと出席率が高いのか。

一番は「大学に行く」というハードルがないこと。着替えて電車に乗って遅れないように教室に着くには、それなりの時間とエネルギーが必要だ。ベッドの上でポチリで出席ならずいぶん楽なはず。そのうえ、聞いていなくてもラーメンを食べていても、先生には一切見えない。

もう1つ、少人数の授業で学生とMeetで顔を見ながら話して思うのは、4月に大学が始まる時から自粛で映画館もデパートも閉まってしまい、場合によってはバイトもなくなって、学生が退屈しているのではないかということ。

オンラインでも学生の仲間が集まっている感じを味わえるのは嬉しいだろうし、歯ごたえのある知的刺激を求めて授業に参加する学生もいるだろう。チャットで感想を求めると、まともな答えをする学生が多い。リアル授業で聞いても誰も答えないし、指してもとんちんかんな答えが多いのに。

もう1つ、少人数の授業だと学生に発表させたりコメントを求めたりするが、その時に画面で表情がリアルに見えるのも普通の授業と違う。教室だともっと距離がある。オンラインだと毛穴まで見えるくらいに、学生のちょっとした仕草や表情の変化がわかる。ほめると喜ぶ様子がこんなに見えるとは思わなかった。

それにオンラインだと小さな声でもよく聞こえる。これまでは「もっと大きな声で」などと叱られていた学生も、これなら大丈夫。何となく学生との交流が親密になった感じもあるから不思議なものだ。

私の大学も含めて、多くの大学では夏休みまではオンライン授業を続けるようだ。実習や個別指導などの一部の授業と図書館利用を除いて、学生は大学に入れないという。あと2か月以上あるが、だんだんオンライン授業の新しい方法が蓄積されていく気がする。

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