映画館はなぜ「ステップ2」か
昨日30日(土)から映画館が開くという話だったが、なぜか月曜からになった。映画館によっては土曜から始める準備をしていたようだが、金曜午前中には「ステップ2」は1日(月)からというニュースが流れた。映画は土日が儲かるのに。
そもそも図書館や美術館が「ステップ1」で映画館が「ステップ2」というのは理解に苦しむ。居酒屋10時までの営業も「ステップ1」なのに。美術館はそれでもほとんどが国公立なので、26日から「ステップ1」と言われても余裕たっぷりに6月1日や2日に再開する。映画業界はなぜか「ステップ2」に入れられ、さらに月曜からと土日を外された。
一つには映画はしょせん「悪場所」というか、美術館や図書館と比べて不健康な娯楽というイメージが強いからだろう。実際はユーロスペースやイメージ・フォーラムの客層は、明らかに新聞社やテレビ局主催の「〇〇美術館展」などよりもずっと知的なのだが。映画はどうしてもパンチパーマの支配人が売り上げをごまかしている感じが抜けない。
全興連の副会長が記者会見をしていたが、あれでは効かない。考えてみたら「全興連」は全国生活衛生同業組合で管轄は厚生労働省。かつては厚生省だった。つまり戦後の混乱期にストリップ小屋などと共に「衛生」基準を守るべく作られたのだろう。確かに私が小さい頃の地方の映画館はだいたい繁華街のはずれにあって、床は土で全体に汚かった。
今や映画館は演劇やコンサートの劇場よりも椅子は大きく、全体にゆったりとした感じになった。そのうえ座席指定で列に並ばないし、上映中に話す者はまずいない。美術館でも、これまでのマスコミ主催の「〇〇美術館展」ならまさに三密そのものなのに。
驚くのはどうしてこれに映画界が怒らないのかということ。「ミニシアターを守ろう」という運動が盛り上がったのはよかったが、それは2、3万人の映画ファンが寄付しただけで、政府や世の中全体にとってはやはり映画は文化でも芸術でもなんでもない。
映画館はこれまでクラスターになっていないが、スポーツクラブのように複数のクラスターが出たところが、いつの間にか「ステップ2」に入っていた。映画館とスポーツクラブが一緒だなんて。これはやはり政治的な動きがあったのだろうか。
フランスでは映画館の売り上げは国が管理して、1割を製作助成金など自国の映画振興に充てる。韓国もそれを真似してうまくいった。日本の「興行」の世界も抜本的な改革が必要なのかもと言うと、論理の飛躍かもしれないが、今回のミニシアター支援の盛り上がりを機に一から考え直してもみたい。
ユーロスペースのH支配人や諏訪敦彦監督が文化庁などの官庁や国会議員に要請をしているニュースを見ながら、そんなことを考えた。明日から映画館が開く。さて何を見ようか。
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