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2020年6月27日 (土)

本を書いて考えたこと:その(5)

今回、新潮新書で『美術展の不都合な真実』を出して一番よかったのは、いろいろな知り合いと連絡が取れたこと。新書で税込み836円なので、これまでにお世話になったいろいろな人々に送った。

最初に出版社から30冊送り、それから50冊を買い取ってあちこちに送った。誰に送るかを選ぶのは難しかったが、これまでに仲が良かった友人やお世話になった方を中心にした。本を送ってもらい、そのお返しができていない人も含めた。

この数年は5000円前後の映画研究書の共著を何冊か出したが、これらはたくさん送るには高すぎるし、それ以上に普通の人は読んでもおもしろくない。その点、今回の新書は一般向けだし、安いので送る方ももらう方も気が楽だ。

その結果、長らく連絡の取れていなかった人々と久しぶりにやり取りが始まった。私は年賀状の宛先もデータ化していない。毎回、前年の葉書を見ながら手書きで住所、名前を書いている。そうすると、いつの間にか送らなくなった友人も出てくる。

学生時代の友人のO君もその一人で、今回調べると住所もメアドもわからない。フェイスブックでも出て来ない。知っていそうな友人にメールを送って、とりあえず住所がわかった。送ると先方から手紙が来て、その後はメールのやりとりになった。

同じく大学時代の友人I君がアマゾンのレビューに感想を書いてくれたのは、前に書いた通り。調子に乗ってお礼のメールが来たら、「ぜひアマゾンに感想を書いてください」と書いた。そのうちの数人が書いてくれている。

昔、好きになった女性には「おおむね」送った。小学生、中学生の時に好きだったSさんも、フランスに留学した時に会った北海道のMさんも、大学で付き合っていたYさんも。さすがにマリーさんなど外国人には送らなかったが。

ここに何度も書いているように、私には4人の姉がいる。送るかどうか考えたが、興味がないだろうと思った。念のためにグループラインに本が出たことを知らせて「読みたい人には送ります」と書いた。すると、みんなが「買いました」と連絡をくれた。ありがたいものだ。

人に何かを与えるのは気持ちがいい、それが自分の本ならなおさら、という当たり前のことを実感して「また本を書こう」と調子に乗っている。「あっ、まだもらっていない」という方はご連絡ください。

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