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2020年9月21日 (月)

『ムーラン』の謎について

何度も書くように、私はもともとアニメを見ていなかった。小さい頃にディズニーのアニメを見た記憶もない。だから今年の初めにディズニー製作の実写版『ムーラン』の予告編を映画館で見た時に「気持ちが悪いなあ」としか思わなかった。アニメ版も見ていなかったので。

本来なら今年の4月17日の公開だったが、コロナ禍の一番大変な時期に当たって延期。さて秋に公開かと思われたが、ひっそりと9月4日からディズニー・プラスだけの配信で始まった。もともと見る予定がなかったので配信も知らなかったが、「朝日新聞デジタル論座」から原稿依頼があったので、見てみた。

先週金曜日にアップされたのはこの文章(今回は全文無料)なのでお読みいただきたいが、もともとの依頼は、この映画の終わりのクレジットに新疆ウイグル自治区の複数の公的機関へ謝辞があることに対して、米国や香港でボイコット運動が起きたのをどう捉えるかというものだった。

こう書いても何のことかわからないかもしれない。まず新疆ウイグル自治区では2014年のウルムチ駅爆発事件以来、テロ対策としてウィグル人イスラム教徒の再教育収容所がいくつも作られた。2、3年前からその状況がひどいというレポートが出始め、100万人以上が洗脳教育を受けているとして、欧米の人権団体から抗議が出ている。

さて『ムーラン』の映画の終わりのクレジット(115分のうち最後の1分)には英文で新疆ウイグル自治区のいくつもの公的機関の名前が出てくる。普通に考えると映画のロケに協力したのだからいいのではと思うのだが(これは中国共産党のコメントと同じ)、それらの公的機関は人権侵害をしているのだから、謝辞を載せるのはいかんということのようだ。

「論座」にも書いたようにこの映画は米国籍の主演女優が、昨年8月にSNSで「香港警察を支持する」と書いて以来、香港を中心に「『ムーラン』をボイコット!」の運動が高まっていた。そこへ来て今度は謝辞問題で、今回世界各地での公開を配信のみにしたのはそのせいかと思った。

とりあえず『ムーラン』を見たが、まずディズニー・プラスに入るのには770円必要だが、そのためにドコモペイの口座を開く必要があり、最近のドコモ口座の騒ぎを見ていると、かなり気が滅入った。最初の月は無料だが『ムーラン』を見るには税込みで3278円払う必要がある。12月になれば普通に770円で見られると言うのだが。

「仕事だ」と思って3千円超を払って見たが、これが映画以前の問題というくらいつまらなかった。そのうえに、いかにも西洋人(監督はニュージーランドの女性監督、ニキ・カーロ)が作り上げたファンタジーで、見ていていたたまれなかった。『テネット』などが映画館で公開しているのにこの映画の劇場公開が見送られたのは、そういう理由かと思った。

『ムーラン』が普通に公開されていたら、新聞などで盛んに叩かれただろう。ディズニーはそれを見越して配信の難しい中国などを除いて、世界各地でこっそり配信したのだろう。できればなかったことにしたい「事故物件」扱いである。実は中国共産党系の英字紙「グローバル・タイムズ」でさえも批判されていることも「論座」には書いたのでご一読を。

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