短パン、Tシャツ、サンダルの夏
地球温暖化の影響なのか、単に年を取ったからなのかわからないが、夏の暑さが年々耐え難くなってゆく。今年はコロナ禍で家に籠ることが多かったこともあり、特に服装がラフになった。たぶん人前に短パンとサンダルで平気で出るようになったのは今年が初めてだと思う。
会社員生活が長かったせいか、大学に移っても最初の頃は夏でもきちんと襟のあるシャツを着て、ジャケットを手に持っていた。それが数年前からか、7月になるとジャケットをやめた。Tシャツにシャツを羽織ることが多くなった。
去年になってあまりに暑くてシャツもやめた。映画を見る時には持って行って、冷房が強い時にだけ着るようにした。それでも去年までは短パンやサンダルには抵抗があった。足のスネ毛や指を見せるのは野蛮な感じがしていた。そういう人はよく見るが、髭を生やしたタイプの野獣系の側だと思っていた。
ところが自宅の生活が長いと、短パンが気持ちがいい。近所に出かけるのも靴下をはくのが煩わしく、サンダルになった。ある日、自宅に近い竹橋の東京国立近代美術館に「ピーター・ドイグ展」を見に、短パン、サンダルで行ってみた。思ったほど冷房は寒くなく、何とも気持ちよかった。
さすがに映画は短パンだと寒い(気がする)ので、長ズボンとサンダルで行ってみた。これまた快適このうえない。狭いプレス試写会のように冷房が強い場所でも、シャツを持参すればサンダルでも大丈夫だった。
Tシャツは、かつてはブランドものを1万円くらいで買っていたが、去年あたりからユニクロのコラボTシャツを買い始めた。去年のニューヨークのMOMAと組んだソル・ルウィットのデザインによるものや、今年のMOMAコラボのジェニー・ホルツァーのテキストなど、なかなかいい。これらはかつて好きだったアーティスト。
ユニクロTシャツの問題は、たまに街で同じものを着た人に会うこと(ユニかぶり)だが、それも気にならなくなった。さすがに大学で学生が同じものを着ていると照れ臭いが、今年は大学もほぼオンラインでめったに学生に会わない。
10年ほど前に広尾のフランス大使公邸の昼食会(最近はそういうものに声がかからない)で三宅一生さんと同席した時に、彼は「もう世界中がファストファッションに席巻されて、ファッションの時代は終わりですね」と言っていた。今になってその通りだと思う。コロナ禍で脱ファッションは進むのではないか。
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