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2020年10月18日 (日)

フランスでは夜間外出禁止令が

昨晩の夜中の12時から、フランスのパリほかマルセイユなど8つの大都市圏では夜9時から朝6時までの夜間外出禁止令が出た。仏語ではCouvre-feuと言うが、直訳すると「火を覆う」、つまり消灯を意味する。電灯に黒い布を被せた感じが出ているが、これはいわゆる「灯火管制」でまさに戦時中を思わせる。

フランスの私の友人たちも「夜間外出禁止令」なんて初めてだと騒いでいる。1961年のアルジェリア戦争の時以来だとか、2005年のパリ郊外の移民の暴動の時は、いくつかの郊外で自治体が出していたとか、フェイスブックに書いていた。「火を覆う」=「灯火管制」という表現が大時代がかった不安を巻き起こしている。

当初は映画や演劇に関しては20時に始まる回のチケットを持っていれば大丈夫とする流れもあったが、最終的には一律実施となった。つまり全員夜9時までには自宅だから、映画の夜の回も、通常20時に始まるオペラや演劇もすべてアウト。

レストランの夕食もフランスでは20時からが標準だから、21時までに自宅に着くのは難しい。近所で19時から始めれば何とか帰りつけるが、もともとフランスでは外での夕食は特別で(外食は日本よりずっと高いので、めったに行かない)、食後のおしゃべりで1時間は当たり前だから、かなりきつい。

一方で学校も美術館も映画館も劇場も1席ずつ空けてやっているし、鉄道も地下鉄も普通のようだ。日本でも東京都で飲食店を夜8時や10時までとかあったが、店にも客にも罰金はなかった。フランスでは昨晩から夜9時以降に仕事など特別の許可証がない外出が見つかると、135ユーロ=約1万5千円が課せられる。巡回の警察も増やしたようだ。

期限内に支払いがない場合は375ユーロ。15日以内の再犯は200ユーロ、期限内に支払いがない場合は450ユーロ。30日以内に3度目の違反は3750ユーロと6ヶ月間の禁固刑。これで牢屋に入れられてはたまらない。

3~4月のような移動禁止ではないが、夜間外出禁止令の方が戦時中を思わせて妙に怖い。昨日1日のフランスの新たな感染者は6万3千人強。アメリカやインド並みだが、人口を考えると深刻だ。イタリアやドイツでは数千人なのに。

個人的には、早寝早起きの私は飲みに行かない限りは(最近減った)、夜7時には家に帰り、10時に寝る。日本で夜間外出禁止令が出ても全く困らない。むしろ宴会が長引かずにいいくらい。国民の健康のために(そして保険の支払いを減らすために)、夜間禁止令を出したらどうだろうかとさえ思ったりする。

そう言えば、何十年ぶりにインフルエンザの予防接種を受けた。大学から推奨されていたからだが、確かに対面授業も一部始まって毎日何十人という学生に接する教師は危ない。文科省からは対面授業をやれと言う圧力がかかっているようだが、これから冬にかけて本当に大丈夫だろうか。コロナ禍に対する日本政府の対応は、アベノマスクでわかるように、あまり信じられない。

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