コロナ禍の行方
前に書いたように、私は4年前にパリで半年過ごした時に、パリの日本大使館からの在仏法人向けのメールが来るように設定した。帰国してからは毎月の邦人被害事件記録を読むのが実は楽しみだったが、最近はコロナ禍のフランスの状況が克明に送られてくる。9月以降、再び悪化しているのがわかる。
この2週間は1日の新たな感染者が1万5千人前後を続けている。大臣やパリ市の発表などはテレビや新聞に載るが、仏語が得意でない在仏法人向けに、以下のようなメールを出している。
「本5日、パリ市及びイル・ド・フランス関係当局者が会見を行い,新型コロナウイルス対策に関する新たな措置を発表したところ、概要以下のとおりお知らせします。
1 パリ市及び周囲3県(オー=ド=セーヌ県、セーヌ=サン=ドニ県、ヴァル=ド=マルヌ県)は、本5日から警戒最大化ゾーンに移行する。
2 本5日から15日間(=10月19日まで)以下の措置を講じる。
(集会)-1000人以上のイベントの禁止-公道、公園,庭園における10人以上の集会の禁止-デモ、葬式、マルシェなど一部の活動は可能(バー、レストラン、商業施設など)-バーは明6日から閉鎖-レストランは間もなく公表される新しい感染対策規定の実施を徹底した上で営業可能。予約を推奨。-アルコール販売・公道での飲酒は22時以降禁止-一般来訪者を受け入れる施設での学生の夜のパーティー、祝祭、家族の集まりは禁止-市役所や宗教施設での結婚式は可能(結婚パーティーは禁止)-クラブ、ダンスホールは閉鎖-展示会、見本市,サロンなどは禁止
-文化施設(劇場、映画館など)や図書館・メディア資料館は開館-大規模商業施設は最大で客1人/4m2を遵守
(スポーツ)-ジム、プールは閉鎖(秋休みに入るため未成年者の受入れは可)
-屋外施設は1,000人未満の受入れ・収容能力の50%までの条件の下で可能(高齢者施設)-明日から、面会は予約者に限り最大2人まで、可能な限り専用スペースを利用-団体での外出は延期。個人での外出もできるだけ制限することを推奨-PCRテスト強化
3 企業はテレワークを可能な限り実施するよう推奨。」
これから見ると、映画館や劇場や図書館は開けている。ここには書いていないが美術館も学校も閉めていない。日本でもフランスでも一時期は映画館も図書館も閉鎖していたが、これは意味がなかったとわかったのではないか。つまりは、人が集まってわいわい騒がなければ大丈夫ということ。フランスでは戦時下並みの極端な外出禁止令を出したが、それがこの結果だから、反省したのだろう。
日本でも安倍首相による2月末の小中学校の閉鎖命令は意味がなかったという民間の調査結果が出ている。その混乱が3月末まで税関での水際作戦の開始を遅らせた。さらに小池知事の3月末のロックダウン発言による混乱が、緊急事態宣言を遅らせた。結果論では日本はある程度うまくいったが、かなり危ない。新しい危機に対して、人は学んでいくしかない。とにかく、映画館閉鎖は意味がない。
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