新しくなった千葉市美で見る宮島達男
千葉市美術館が改装されたと聞いて行きたいと思っていたが、宮島達男展が始まったので行ってみた。この美術館は古い銀行を一部残した建物で、かつては6階までは千葉市の中央区役所で7、8階が美術館だったと思う。それが全館美術館に改装されて常設展示室もできたというので、興味があった。
全体として言えば、正直なところがっかりした。まず改装だが、建物にはほとんど手を触れずに、役所の部分に常設展会場や図書館や子供のアトリエやカフェを作った感じ。そのうえ、常設展のスペースは400平米強と小さい。
宮島達男は森美術館で開催中の「STARS展:現代美術のスターたち 日本から世界へ」の彼の展示がよかったので、期待していた。「宮島達男|クロニクル1995-2020」という題名なので、彼のすべてが見られる回顧展的なものかと思っていた。
ところが最初に出てくるのは初期にやっていたというパフォーマンスを再現したもの。英語やフランス語やスペイン語で1から9までの数を読み上げ、0の時に水面に顔を鎮める。あるいはさまざまな人種の人々の腹部にボディペイントをするパフォーマンスの映像。私にはあまりピンとこなかった。
ちょっと面白かったのが、コンピューターで「あなたの死ぬ日付を入力してください」という参加型の作品。私はふいに2035年のその日を入力した。そうすると壁に残された時間の数字が流れる。私の顔と共に。私はあと15年生きるつもりらしい。
千葉市美の所蔵品のうちから河原温、中西夏之、菅井汲、李禹煥、杉本博司の作品を日本画用の展示ケースに入れて、ガラスを黒で塗り、数字の部分だけを空けて部分的に見えるようにした作品もなかなか興味深い。
しかし彼の持ち味はやはり発光ダイオードの数字。2000年以降に作られた小さめの作品がいくつも並ぶ広い部屋があり、その後にこの美術館の大型の所蔵作品「地の天」があった。こういう暗闇の中に点滅する無数の数字が彼らしい。
一番良かったのは1階の高い天井のあるホールの《Floating Time》。青、赤、黄の3つの床に天井から揺れ動く数字が投射される。色彩の組み合わせがなかなかいいし、歩くと楽しくなる。
常設展は狭かったが、10点ほどの若冲や20点ほどの浮世絵の役者絵に加えて榎倉康二の写真作品があったのも得をした気分になった。千葉市美は都心からは遠いが、やはり行く価値がある。
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