『The Crossing』の見せる中国の今
中国の女性監督、白雪(バイ・シュエ)の『The Crossing~香港と中国をまたぐ少女』を劇場で見た。予告編で中国の深圳から香港に通学する女子高生の話とわかり、見たいと思った。製作総指揮が田壮壮というのも気になった。
中国の女性監督、白雪(バイ・シュエ)の『The Crossing~香港と中国をまたぐ少女』を劇場で見た。予告編で中国の深圳から香港に通学する女子高生の話とわかり、見たいと思った。製作総指揮が田壮壮というのも気になった。
先日、朝9時から12時10分まで自宅からオンラインの授業をした。これは必修科目で複数の教員で分担してやるから負担はそれほど大きくない。昼ご飯にラーメンを食べに出て、午後には時間があったので映画史の研究者によるシンポジウムを13時30分から5時頃までオンラインで聞いた。
自主映画出身の佐藤快磨(たくま)監督の初商業映画『泣く子はいねぇが』を劇場で見た。『おらおらでひとりいぐも』と同じく東北弁の題名が気になったし、それ以上にサンセバスチャン国際映画祭で撮影賞(月永雄太)でかつ是枝裕和監督が応援した映画というので期待した。
佐倉の国立歴史民俗博物館で12月6日まで開催の「性差の日本史」は必見の展覧会だ。そしてそのカタログがすばらしい。家に入らないので美術展カタログは買わないと決めていたが、2500円出して買ってよかったと思う。
高橋源一郎氏の新刊新書『楽しい知識』を読んだ。本屋で最初のページをめくったら、「小学校一、二年の頃、新しい教科書が配られるのが楽しみだった」という文章から始まって思わずその光景を思い出して買った。確かにそうだったと思ったから。
TOHOシネマズで予告編を何度も見て見ようと思ったのが、土井裕康監督の『罪の声』である。この映画は塩田武士による同名小説の映画化だが、その小説のもとになったのは、いわゆる「グリコ・森永事件」だった。この事件は今では知らない人も多いかもしれない。
この3連休、働いていた。自分の原稿や論文でなく、普通の大学の仕事があった。土曜日は今年から始まった1年生向けの全学共通授業で朝9時から12時過ぎまでオンライン、日曜日は朝8時半から19時まで対面の入試と採点、月曜日は通常授業だった。
アルジェリア出身のムニア・メドゥール監督の『パピチャ 未来へのランナウェイ』を劇場で見た。1990年代にファッションデザイナーを目指す女子学生ネジュマとその女友達グループを描いた作品だが、後半少し泣いてしまった。
最近、授業で溝口健二監督『雨月物語』について話した時に、自分は大学生の時に寝てしまったことを話したら学生にウケた。最初に見たのは大学1年生の夏休みの時、福岡の「テアトル西新」という今はなき名画座で黒澤明の『羅生門』と同時上映だった。
桜木紫乃の小説『ホテルローヤル』を読んだのは、たぶん6、7年前だと思う。北海道の寂しいラブホテルを舞台にした連作で、最後のラブホテルを作る話まで読んで、時代をさかのぼっていったことに気がついた。
最近、自分でも無意識のうちに健康志向が高まっているのに驚く。会社員の頃は、毎朝、ご飯かパンにベーコンと目玉焼きなどを食べていた。それが最近はパンもなしで、自分で果物と野菜のジュースを作って飲む。
小林正樹監督の『東京裁判』のようなアーカイブ映像を使った映画は基本的に大好きだ。かつて別の目的で撮られた映像が、時間がたつととんでもない見え方をするから。だから当然のごとく、ロシアのセルゲイ・ロズニッツァ監督のドキュメンタリー『粛清裁判』を見た。
国立歴史民俗博物館の「性差(ジェンダー)の歴史」展については、語りたいことがまだまだある。前に書いたように古代の政治空間において、男性が中心になりだしたのは律令制ができた7世紀末だが、生活空間においては、「八世紀~九世紀半ばの資料を見ると、田植えが男女混合で行われた事実が確かめられる」
さて、東京国際映画祭と東京フィルメックスは終わって1週間がたった。全部で20本ほど見た感想は書いたが、「まとめ」を書いていなかった。全体として見たら、「改革」の兆しが見えてきたのではないか、というのが、私の印象だ。
沖田修一監督の『おらおらでひとりいぐも』を劇場で見た。若竹千佐子の原作は3年前に芥川賞を取った時にすぐ読んで大好きだったが、まさかあの中年女性の脳内世界が映画になるとは思わなかった。
国立歴史民俗博物館に「性差(ジェンダー)の日本史」展を見に行った。千葉県佐倉市にあるこの博物館には、3年前に「1968」展を見に行って衝撃を受けた。今回の展覧会にもそんな気配を感じて、自宅から列車やバスを乗り継いで2時間近くかけて行った。
12月4日公開のフランス映画『燃ゆる女の肖像』を見て、その純度の高さに驚嘆した。画家を描く映画として、18世紀が舞台の映画として、レズをテーマにした映画として、まさに前人未到の域に達した観がある。
昨年4月に出た板倉史明編著『神戸と映画』をようやく読んだ。神戸は10回以上行ったことがあるが、いずれも仕事でゆっくりしたことがなく、いまだに土地勘はゼロ。しかし神戸の人々がかなり自分の土地に愛着と自信を持っているのは感じていた。
青山真治監督の『空に住む』を劇場で見た。東京国際映画祭やフィルメックスで忙しく、最近公開の映画を見ていなかった。『空に住む』を見始めた時、テレビドラマのような設定の安易さに戸惑った。これが青山真治の映画かと。あるいは映画祭でヘンな映画を見過ぎて自分の感覚がおかしくなったか。
先日、学生から「映画の字幕翻訳家になりたいのですが」と相談された。その時に忽然と寺尾次郎さんの顔が蘇った。フランス語を中心とした字幕翻訳家の寺尾さんは2018年の6月に亡くなられたが、私は彼以外に字幕を仕事としている人を個人的に知らない。
12月18日公開の大九明子監督『私をくいとめて』が東京国際映画祭で観客賞を受賞したので、感想をアップする。実は映画祭の前にオンライン試写で見た。基本的にオンライン試写は見ないが、今回は時間が合わず、東京国際映画祭でやることもあって事前に見た。
フィルメックスは既に土曜に終わり(私が4.5点をつけた『死ぬ間際』がグランプリ!)、東京国際は今日までだが私にとっては昨日でおしまい。まだ書いていない作品について触れておきたい。「東京プレミア2020」は32本あるが、結局見たのは13本(1本は事前試写)だから半分もない。
4年に1度、大統領選になると、アメリカはわからないと改めて思う。まず3日が投票日で既に4日もたっているのに、まだ開票が終わらないとはどういうことなのか。ネットを見ると慎重なニューヨーク・タイムズやCNNもバイデン勝利を報じているので、ようやく当確は出たようだが。
朝起きて、急に予定を変えてフィルメックスのリティ・パンの新作を見たいと思った。ところがシャンテに行ってみたらそれは前日だった。慌てて六本木へ行き、東京国際のコンペで舩橋淳監督『ある職場』を見た。大半が白黒で議論ばかりの135分。
例の日本学術会議の任命問題ではずされた6名のうち、宇野重規東大教授だけが「特に申し上げることはありません」と述べていたので気になっていた。本屋には出たばかりの彼の新書『民主主義とは何か』があったので、買ってみた。
東京国際のコンペで見た『皮膚を売った男』がかなりおもしろかった。監督のカウテール・ベン・ハニアはチュニジア出身でパリで映画を学んだ女性で、チュニジア・フランス・ベルギー・スウェーデン・ドイツ・カタール・サウジアラビアの合作。それで現代アートを扱った作品というので、授業の合間を縫って見た。
フランスには間違いなく30回以上行っているし、1年、半年、3カ月と滞在したこともある。それでも、フランス人はわからないと思うことが多い。最近のフランスでの大きなニュースは、新型コロナの感染者急増によるロックダウンとイスラム教をからかう風刺画をめぐるテロ事件である。
週末3日間で9本見た。金曜にフィルメックス・コンペ3本、土曜にフィルメックス・招待2本、日曜に東京国際・コンペを4本。特に東京国際では昼食の時間もないので、コンビニおにぎりで済ませた。昔なら何でもないが、59歳にはさすがにきつかった。
東京フィルメックスの「特別招待作品」でジャ・ジャンクーとホン・サンスの新作を見た。東京国際映画祭の「特別招待作品」は基本は正月映画のショーケースだが(やめればいいのに)、こちらはコンペにはふさわしくないような巨匠の作品が中心だ。
先日、たまたま毎日の夕刊を見ていたら、作家の辺見庸氏が夕刊2面に「首相の「特高顔」が怖い」という見出しの一頁インタビューで語っていた。「菅さんっていうのはやっぱり公安顔、特高顔なんだよね。昔の映画に出てくる特高はああいう顔ですよ」
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