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2020年11月29日 (日)

一日オンラインで過ごすと

先日、朝9時から12時10分まで自宅からオンラインの授業をした。これは必修科目で複数の教員で分担してやるから負担はそれほど大きくない。昼ご飯にラーメンを食べに出て、午後には時間があったので映画史の研究者によるシンポジウムを13時30分から5時頃までオンラインで聞いた。

その後に授業の準備で、ある映画をユーチューブで見始めた。30分ほど見たところで、頭の芯のあたりがおかしくなった。頭がぼーっとしてストーリーが全く入らない。思わずパソコンを閉じて、外に出て暗くなった近所を30分ほど歩いた。

朝9時から一時間ほどの昼休みを挟んで夕方5時半まで同じ部屋でパソコンを見ていた。特に午後はウェブナーで聞いたので、自分が発言することはなく、聞いているだけ。最初は、興味のない部分は音を小さくして部屋の片づけをしたりスマホを触りながら聞いていたので、これはラクチンと思った。

実際にシンポジウムに出かけると、途中で片づけはできないし寝るわけにもいかない。オンラインはいいと思っていたが、3時を過ぎると苦痛になってきた。研究者の研究成果に驚きながらも、聞いていてだんだん頭に入らなくなってゆく。これは目と耳だけを使っているからかもしれない。

シンポジウムに行けば、おかしな場所で笑い、知り合いと目配せをする。休憩時間には久しぶりに会った友人と二言三言交わす。コーヒーを飲んだり、トイレに行ったり。オンラインで自分の部屋でコーヒーを飲むのとはずいぶん違う。

ふと考えてみたら、今、大学生は毎日こんな生活を送っているのかもしれないと思った。パソコンで先生の講義を聴きながら、退屈だとスマホをいじる。これが朝9時から夕方6時まで続いたらたまらないだろう。特に1年生は必修科目が多いので、こんな日が週に3、4日あるのかもしれない。友人もいないだろうし。

一般的には授業時間は短めにして(あるいはユーチューブなどで自分で好きな時間に視聴できるようにして)、各自が自分で学ぶための課題を出すよう推奨されている。その課題のために、学生がさらに夜までパソコンの前で時間を過ごすとしたら、本当に頭がおかしくなりはしないか。

私は9月以降、少しずつ対面の授業を増やしてきた。しかしそれも今回の「第三波」でオンラインに戻さざるをえない。せめて授業の時間を短くして、学生が少しでも散歩に出る時間を増やしたいと思ったが、ほかに方法はないものか。とりあえず課題は減らそうか。

たった一日、9時から6時までオンライン生活をしただけで、そんなことを考えた。さらに思ったのは、もし私の学生時代のように、インターネットもパソコンなかったら、どうなっていたのだろうかということ。かつての通信教育のように、郵便で課題を送らせて添削して返していたかもしれない。郵便局が大混雑している様子を思い浮かべたら、おかしくなった。

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