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2020年12月13日 (日)

学生映画祭も10年目:その(1)

昨日、学生企画の映画祭「中国を知る」が始まった。実は今年で10年目になる。最初は自分がやらずに学生に自由にやらせて見守るのが新鮮だったが、だんだん慣れてきた。むしろ毎回同じことを教えるのが辛くなってきたが、最近は先輩から後輩への引継ぎがしっかりしているので助かっている。

4月から2カ月ほどかけてテーマを3つほどに絞り、それから映画館へのプレゼンをして決定する。それから作品選び。1日4回上映の7日間なので、28回枠がある。1本2回上映すると14番組。短編や中編は組み合わせる。今年は14番組15本となった。

まずこの倍以上の映画をリストアップし、選んでゆく。「これをやりたい」と思っても権利がクリアできなかったり、上映素材がなかったり。今年はコロナ禍で会議はすべてオンライン。7月になって一部対面授業が可能になったので、集まって試写をした。

最終的に作品が決まったのは8月末。それからデザイナーにポスターとチラシを依頼する。ここでの決まり事はプロのデザイナーに頼むこと。映画館において普通に手に取ってもらうには、いわゆるサークル風、学園祭風ではダメだ。学生は好きな映画チラシを持ち寄って、デザイナーを選ぶ。

チラシの作品解説も学生が書く。コメントは著名人3、4人に学生が頼む。毎年、思いのほか有名な方が書いてくれる。数年前に吉永小百合さんから手書きの原稿がFAXで来た時は驚いた。

チラシが10月初めにできると、今度はパンフレットを作る。これは500円で売るもので、毎年40頁ほど。こちらは大学の先生など専門家に依頼するが、この選択も交渉も学生がやる。あるいはパンフ全体の台割表も作る。これがないとデザイナーは動けないから。

同時にプレスリリースを作り、マスコミに発送する。取り上げてくれるのは主に新聞なので、一紙ごとに担当学生を決めて各紙を徹底的に調べて記者リストを作り、手書きの手紙をつけて送る。数年やっていると、毎年書いてくれる馴染みの記者さんも出てきた。今年は昨日の「日経」夕刊と9日(水)の「東京」夕刊に社会面トップのほか、「朝日」「毎日」は朝刊都内版に載った。

この4、5年ほどは若い専任講師が手伝ってくれるので、だいぶ楽になった。印刷発注や上映料の処理やプレスリリース発送など面倒な仕事を引き受けてもらっている。私のやる事は10年前に比べるとずいぶん減った。

さて映画祭が始まると、私はどうしてもじっとしていられない。毎日会場に出かけて、スタッフバッジをつけて学生以上に走り回る。こればかりは止まらないが、もうそろそろ止めなければみっともない。

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