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2021年1月26日 (火)

飛行機に乗る嬉しさ

九州の実家に日帰りで行った。母の3周忌、父の33周忌というので、東京から福岡へと「緊急事態宣言」下の2都市を飛行機で往復した。これが思いのほか楽しかった。考えてみたら1年以上飛行機に乗っていなかった。

去年は、35年ぶりくらいに海外に行かなかった。学生時代にパリに留学してからというもの、毎年行っていたのだから。だから飛行機に乗るのが習慣になっていた。だから今回は国内でも飛行機が妙に懐かしかった。

早朝に羽田行きの定額タクシーから見る真っ暗な東京。あるいは帰りのタクシーでレインボーブリッジから銀座を通って繁華街を駆け抜けて行くのが、甘美なくらい気持ちいい。

飛行機は久しぶりに乗ると、客室乗務員の例のバカ丁寧な応対に驚く。エールフランスなどはないが、日本の飛行機はいまだに客を神さまのように扱うと改めて思った。そして飛行機はガラガラ。行きは30人くらいで、帰りが70人くらいか。並びの席に1人ずつで「密」は全くない。

飛行機に乗ると、雲の中を行くのがいい。大学生になって初めて飛行機に乗った時、雲を内側から見ることができるのに感動した。福岡に着く時、降下しながら玄界灘から博多湾にカーブして入ってゆく感じが大好きだ。博多湾の形がきれいに見える。それからかなり地上と近くなり、走っている車の姿までよく見える。

東京に夜着く時は、青や緑の誘導灯が並ぶのが好きだ。真っ暗の中で点滅する光の列を見ると、いつも宮島達男の作品を思い出す。もちろん宮島作品の発光ダイオードには数字が写り、それぞれの規則的な時間ごとに変わっていくのだけれど。

今回は福岡空港から自宅までJRが時間が合わず、西鉄大牟田線を使った。実を言うと小さい頃から西鉄に何倍も馴染みがあるので、こちらが好きだった。自宅に近くなると、列車の窓にへばりつくように外の風景を眺めていた。

法事はまるで映画『東京物語』の終盤の場面の大坂志郎のような感じで、「どうもあの木魚の音がいかんねん」「お母さんポクポクポクポクと小そうなってきよる」という気分だった。たまたま最近授業の準備で見たからだろう。

母と言えば、飛行機のために5時に起きようとした朝方に、母から電話がかかってきた夢を見た。なぜか黒電話を取ると「太ね、あんたなんばしよると」。時計を見ると奇妙なことに27時とデジタル表示が見えた。そこで目を覚ますと朝の3時だった。私が寝坊しないように、母が出てきたのだろう。そのことを一日中思い出していた。

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