「酒なし外食令」に考える
いやあ、参った。突然、飲食店の「酒類提供の自粛」が出てきたからだ。夜8時までの営業となった時も最初は困ったが、そもそも私は早寝早起きのうえにせっかち飲みなので、6時頃から始めて8時に終わるのは結果としては思ったほど悪くなかった。
しかし飲み屋に酒がないのは困る。というか、それでは飲み屋ではなくなって、単なる食堂になってしまう。もちろん世の中にはファミレスもあれば牛丼もあるし街の定食屋さんもあって、食べるだけのために外食をする人もいるだろう。もともと酒が飲めない人もいる。
しかし私にとって、昼はともかく夜の外食は酒がないと始まらない。ビールでも日本酒でも焼酎でもワインでもいいのだが、とにかくある一定量は飲まないと、外食の意味がない。食事はおいしいに越したことはないが、酒がなければどんな美食も意味をなさない。
都庁の役人か官邸の官僚か知らないが、これを思いついた奴は極めて狡猾だ。現在「まん防」で東京の飲食店は夜8時までになっている。終日休業にすると、とても補償金を払えないし不満も強い。そこで酒をなくせば夜の街は静かになるだろう、不満は出ても酒を飲まない人や外食をしない主婦には好評かもしれない、という発想だから。
この「酒なし外食令」(私の命名)のことを昨日ある飲み屋のランチで話したら、店長兼シェフが「あれは困りますねえ」と言っていた。まず客が来なくなるし、来ても単価が低い。多くの良心的な店は料理は原価ギリギリでいいものを作り、酒で儲けている。その構造が一度に壊れるから、夜は開けられない。休業要請ではなく、「酒類提供の自粛」で実質的に休業状態に追い込みながら、補償は十分にしないという姑息な手段か。
もしこれでも感染者が止まらなければ、飲食店の完全休業しかない。この時は百貨店や映画館や美術館もすべて閉じるだろう。次は夜間外出と県外移動の禁止に学校の閉鎖、最後は1日1回1時間以内の外出となり、交通機関の制限、食品店以外は会社も含めて閉鎖。
実は今週の月曜日に大酒を飲んだ。新聞と通信社の記者に配給会社社長と私の4人で赤坂のビアホールに行った。問題は始まる時間が16時だったこと。たっぷり飲めるようにという趣旨と言うが、生まれて初めて16時から本格的に飲んだ。軽めの食べ物付きで飲み放題4500円に決め、最初はいろいろな地ビール。
それから焼酎やワインを飲んで19時過ぎ過ぎ頃には相当できあった。それからなぜかわからないが、私はみんなを自宅に連れて行って、22時過ぎまでワインをしこまた飲んだ。翌朝体温が36.8度だったが、これは酒を飲んだ翌朝にはあること。翌日には36.4度に下がって安心していた。ところが木曜朝に37度。大学でも誰とも近づかないようにしたが、内心怖かった。
そして翌日。36.3度で一安心。今思うと、「酒なし外食令」前の大騒ぎだった。
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