「失踪村」の記事に震える
2日(日)の「朝日」朝刊1面の「失踪村 お金も仕事もない」の記事に震えた。埼玉県上里村に「失踪村」と呼ばれる地域がある。地図で見ると群馬県高崎市に近いあたりだが、「工場で働く日系ブラジル人ら外国人が多く住んでいる群馬県から埼玉県にかけての一帯に、各地の実習先から失踪したベトナム人が、知り合いを頼ってたどり着くという」
「上里町だけで千人。北関東全体で二千~三千人はいるのではないか」とNPO代表の言葉。写真と名前が載っている36歳の元実習生は「貧しい家庭を助けるために借金して来日したのに、安い給料と職場環境に耐えられず逃げ出した。コロナ禍で仕事が途絶え、結局、稼げなかった」。2LDKに6人で住んでいる。
そこに集まった来日8年の女性ジンさんは「福島県の縫製工場で1時間に2千足の靴下を作るノルマを課せられた。どう頑張っても700足しか作れなかった。日曜以外は朝7時から深夜まで働き、月給は10万円。6畳一間に7人で住まわされ、睡眠時間は3時間しかなかったという。ジンさんを含め、3人が耐えきれず逃げた」
これを読んですぐに思い出したのは、現在「ポレポレ東中野」で上映中の藤元明緒監督『海辺の彼女たち』で、3人のベトナム女性が実習先から逃亡するところから始まる。この映画についてはここに既に書いたが、ベトナム人の知り合いの手引きで海辺の港町で漁業の仕事に就くが、うち1人は体調が悪い。しかし逃げた職場に滞在カードを置いてきているので、病院では相手にされない。
劇映画だが、すべてが3人の視点から描かれていて今の日本がこんなに冷たい地獄のような国に見えるのに驚く。新聞では「事実」はわかるが感覚として伝わってこない。映画を見ると自分が逃げ出したベトナム人になった気分になる。ぜひ今見て欲しい。
技能実習生は問題が多い。記事によると送り出し機関にはベトナム政府が40万円までと決めているが、実際には100万円近く払って日本に来る。現地の感覚だと1000万円くらいという。多くは受け入れ監理団体への賄賂というからひどい話だ。
ひと月ほど前の「朝日」の記事に、韓国では2004年にこの制度をやめて国が直轄する「雇用許可制度」に変えて大幅に改善され、飛行機代やビザ代くらいしかかからないというのがあった。どう考えても働いて金を稼ぎに来るわけだから、「実習」ではなく「雇用」として認めるところから始めないと。
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