シネマヴェーラの「Men & The Gun」:その(2)
シネマヴェーラでジョセフ・H・ルイスの『私の名前はジュリア・ロス』(1945)を見てあまりにおもしろかったので、そのまま続けてリチャード・フライシャーの『札束無情』(1950)を見た。これも68分で2本合わせて2時間ちょっと。
シネマヴェーラはかつては2本立てだったが、今は1本ごとに料金を取る。今は1本1200円で私にとってはその方が好都合。そして『札束無情』は大傑作だった。現金輸送車強盗とそれを追う刑事の話だが、とにかく最初から最後まできっちりサスペンスを詰め込んでいる。
冒頭はウィリアム・タルマン演じる百戦錬磨の強盗、デイブ・パービスが、野球場前で嘘の警察への通報の結果を見る場面。三つ揃いのスーツを着こなし、旧知のベニーと彼が連れてきた2人の4人で組んで現金輸送車を野球場前で襲撃する。
ところがベニーは撃たれ、刑事も1人が死ぬ。同僚を亡くしたコーデル警部(チャールズ・マックグロー)は復讐に燃えて強盗を追う。ベニーは心が離れた踊り子の妻イヴォンヌ(アデル・ジェーゲンス)を繋ぎとめるためにお金が欲しくて強盗に参加したが、実はイヴォンヌはパービスとできていた。パービスは逃げる途中で、医者を呼べと言う邪魔なベニーを殺す。
逃げる3人のうち、1人は警察に撃たれ1人は逃げて、パービスは50万ドルの入ったスーツケースを持って隠れる。逃げた1人は分け前をもらうためにパービスを探し、まずイヴォンヌに近づこうとするが、警察に捕まってしまう。警察はイヴォンヌの控室や車や家に盗聴マイクを仕掛けて、パービスを探す。ベニーの家でコーデル警部はパービスの住むモーテルの住所を書いた紙きれを見つける。
前半は強盗達の物語、後半はコーデル警部と新しく加わった若い刑事が盗聴マイクと警察無線を駆使した追いかけが中心となる。最後にコーデル警部はプライベート飛行機で国外に向かうパービスとイヴォンヌにギリギリで追いつき、ほかの飛行機に潰されて死んだパービスの回りを札束が舞う。
パービスも刑事たちもみんなが三つ揃いの背広を優雅に着こなし、互いに相手の裏をかきながら騙し騙されて盛り上げる。最後にパービスが捕まるのはわかってはいても、ひょっとすると逃げるかもと思いながら見た。終わってみると全く無駄のない展開に改めて震撼した。
2人の男を手玉に取るファム・ファタル役のアデル・ジェーゲンスがちょっと肉厚で、その控えめな踊りが野暮ったくていい感じ。RKO映画。
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