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2021年6月27日 (日)

還暦になって:その(1)「コンポスト」を始める

還暦になっても同じことだと思っていたが、これが少し違った。自分のどこかに「老人力」のようなものが生まれた気がする。考えてみたら、昔は60歳の誕生日で会社員は終わりだった。新聞社にいた頃、夕方に花束をもらって拍手と共に1人で寂しく帰ってゆく先輩を何度も見ていた。

20年前なら私もあんな感じで突然毎日暇になったのだと考えたら、急にセカセカと仕事をするのが馬鹿らしくなった。適当に力を抜いて、込み入ったことは若手に任せたらいい。もっと大事なことを考えようと思った。

その「大事なこと」の一つがゴミ問題。私はレジ袋が有料になる前からエコバッグはいつも持っていたが、それでも毎日出すゴミの多さが気になる。この1年はコロナ禍で自宅にいる時間が多くなり、生ごみが増えた。朝、野菜と果物でジュースを作るだけでかなりの量になる。

時々ベランダの鉢のあたりにミカンの皮を置いたりするが、なかなか土に還る様子はない。それにあまりやると虫が寄って来る。庭があれば埋められるが、マンションではどうしようもない。そんな時、『アエラ』に「都会でもできる生ゴミで堆肥」「マンションのベランダで「コンポスト」」という見出しの記事があった。

要は、トートバッグ型の容器と堆肥化を促進するコンポスト基材をセットで通販で買えるというもので、見るからに簡単そう。そこで紹介されていた商品が「LFCコンポスト」で、同じものを注文してみた。さすがに基材が3カ月に一度送られてくる定期便ではなく、単品でジッパー付きのフェルト容器と内袋に基材を頼んだが、送料込みで5千円近い。

それでも買ってよかった。料理をするごとに出る生ごみを、フェルトの袋に入れて基材を被せる。何だか吸い込まれるようで、翌日になっても匂いもしない。生ごみの大半は水分というが、この水分が消えてゆくようだ。何日か入れてみたが、一向に増えない。

一方で「燃えるゴミ」は劇的に減った。コンポストに入れてはいけないのは貝殻やタケノコやトウモロコシの皮くらいで、後は野菜くずはもちろん骨も卵のカラも珈琲の出し殻も大丈夫。こうなると「燃えるゴミ」は紙類くらいになる。紙類も段ボールや新聞や雑誌やチラシは再生用で別に出すので、あとはティッシュやレシートなど紙くずや名前の入った試写状か。

何より生ごみの匂いがしなくなったのがいい。夏になると魚の骨は一晩たつと匂い出す。これがゼロになってずいぶんストレス解消になった。私の量だと3カ月生ごみを入れ続け、2、3週間ほど置くと堆肥ができあがるらしい。それを土に混ぜるとベランダ栽培ができる。その時を考えると、ちょっと楽しくなった。

『アエラ』には、日本は廃棄物処理に2兆円かけており1兆円が生ごみの焼却に使われていると書かれていた。自分一人がやっても自己満足でしかないが、それでも匂いがしないだけで気分がいい。

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