オリンピックをやれば
昨日の尾身茂会長らの専門家有志の記者会見では「オリンピックは止めるべきだ」という意見はなかった。首相がサミットでG7首脳たちに遮二無二協力を依頼した後だから、言っても無駄だということなのだろう。
緊急事態宣言を21日から解除することが決まったが、都知事は昨日「酒類提供は7時まで、同一グループで2人まで」という決まりを発表した。例えば4人で入って2人だけが飲むのはOKというから、奇策としか思えない。確かに飲食店の我慢は限界に達しているから政府は解除したが、この数日の感染者の数字を見たら危ないのは間違いない。
このままいけば、感染者はオリンピックが始まる頃には都内で3千人、全国で1万人を超すのではないか。たぶん7月10日頃に再度「緊急」が出されてオリンピックは無観客になるが、それでもやるのではないか。
オリンピックに来日する関係者は7万8千人から5万3千人に減ったという発表もあった。同伴者を減らしたというが、その方が危ない気もする。一人でやってくる「五輪貴族」は仲間と飲んだり、町中に出かけたりするだろうから。
IOC幹部の無神経な発言もあって、今回初めて、オリンピックはすばらしいという概念が一般的に揺らいだのではないか。これまでもオリンピックのスポンサー重視や金権体質や開催のための都市開発は批判されてきたが、最後は選手たちのすばらしい活躍で吹き飛んでいた。今回も政府はそれを期待するが、みんなはオリンピックのメッキが剥げたことを知っている。
IOCの会長が「ぼったくり男爵」とワシントン・ポスト紙に書かれたように、「五輪貴族」は何千人もやってきて豪遊して過ごす。昔、北フランスのナンシー市の美術館からアールヌーボーの工芸品を借りてきて展覧会をやった。東京の東急文化村でのオープニングにやってきた副市長は「五輪貴族」だった。
まだ40歳前後だったが、日本酒に酔った彼は私に本音を言った。「田舎の副市長なんてばかばかしい。自分はIOCの下の方の委員会にいるが、それでも家族連れで世界各地に行ける。IOCの中でもっといいポストに就くのが夢だ」と語っていた。探せば名刺が出てくるはずだが、こんな輩が世界中にいるのではないか。
今回は「五輪貴族」の動きを内外のメディアは注視するだろうし、聖火リレーで既に批判されていたようにスポンサーの宣伝活動も批判されるだろう。少なくとも日本企業の多くは、もはや何億円も何兆円も出してオリンピックのスポンサーになるメリットを感じなくなるだろう。
オリンピックがどれだけ感染者増加に影響を与えるかは誰もわからないが、それよりも今回をきっかけに「オリンピックの夢」からみんな覚めるのでは。今はそれだけを期待している。
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