還暦になって:その(4)ユニクロTシャツの夏
1980年代後半、会社員になりたての頃は真夏もネクタイをして、上着を手に持っていた。その後もどんなに暑くても襟のあるシャツを着ていた。大学に移ってもそれは通していたが、数年前から7月になると大学で教える日もTシャツになった。
地球温暖化で、前より夏が暑くなったこともある。けれどそれ以上に、自分の体が我慢できないようになったのではないか。つまり新陳代謝能力が低下して、体感の暑さを抑えられないのだろう。
4,5年前までは安めのブランドで、5千円から1万円のTシャツを買っていた。それでもおおむね1年着ると翌年は黄ばみが目立つ。3年目は無理になる。ユニクロのTシャツは前から買っていたが、去年、目覚めて夢中になった。
それはUTのテキスト・メッセージというシリーズで、最初は文字をネオンで見せるアメリカのアーティスト、ジェニー・ホルツァーのものだった。真っ白に黒のフェルトでMoney Makes Tasteと書かれていて、なかなか気に入った。1500円とは安いと思った。
同じシリーズでタイのリクリット・ティラヴァーニャ作は、白いTシャツに白のフェルトでDO WE DREAMと書かれていて、実にいい感じ。結局3枚買って、2枚目は今年着ているし、3枚目は来年着る予定。
かつて私はLサイズだったが、最近はMに近づいている。年をとって筋肉が落ちていることもあるかもしれない。このシリーズのTシャツは少し大きめだったので、Mサイズがピッタリだった。首元がきちんと締まって、スッキリしているのもいい。
去年はこのようなアーチスト・シリーズをほかにも2枚買った。去年買ってひと夏着ると、今年は人前で着るのが難しい。今年もすでに5枚くらい買ったが、なかなかお気に入りは見つからない。
外に出る時は、普通の授業は半袖のシャツを持っていき、必要に応じて着る。授業で映画を見る時やプレス試写に行く時は、長袖シャツが必要。シャツはさすがにもう少し高いものを着ている。
ユニクロだと同じものを着ている人に会うと恥ずかしい、という人もいる。私も前は気にしたが、最近はそれも気に入らなくなった。これまで実際に会ったのは2度だけだし。それにしても、還暦になって毎日ユニクロのTシャツを着るとは、思いもよらなかった。
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