西村秀一氏の本を読む
コロナ禍に関して、国立病院機構仙台医療センターのウィルスセンター長、西村秀一氏の発言はいつもクールで気に入っていた。最近「朝日」の書評で石飛徳樹記者が彼の本をほめていたので、『もうだまされない 新型コロナの大誤解』を買った。実は書評で紹介された本と違うが、どちらも今年6月の出版でこちらが安かった。
おおむね、私が思っていた通りの内容だった。一番「そうだ!」と思ったのは、「テーブルやいす、ドアノブの消毒なんて無意味です」というところ。「普通の環境下では、テーブルやドアノブに生きたウイルスはいません」。これは「レジでのお金の受け渡しに感染リスクはない」の項にも通じる。
私の教える大学でも、対面授業の後はアルコール消毒液のついたシートで机や椅子を拭くように指導しているし、いつも消毒液を持ち歩いて座る机と椅子を拭く同僚教員もいる。私は仮に机にウィルスがいたとしても、それを舐めるわけでなし、どうやって感染するんだろうと思っていた。
「スーパーの商品やお金、宅配便で届いた段ボール箱、図書館の本……。どれもいちいち消毒するほど気を遣う必要はありません。そこに生きたウイルスがいることを証明した人は誰もいません」。近所の図書館では毎日本や机に消毒をしているが。
それから飲食店などの「ビニールカーテンやパーテーションの危険な落とし穴」も納得した。「壁とビニールカーテンに囲まれて、ウイルスを吸い込む結果になるのです。閉鎖された空間ではパーテーションなどむしろない方が安全です」。パーテーションも「直進する飛沫は止められても、小さなエアロゾルは、空中を漂いアクリル板を簡単に超えます」「真に有効な対策は、換気をしっかりすることに尽きるのです」。確かに直接来る飛沫を防ぐ効果はあるだろうが。
彼が主張するもう1つの重要なことは「手洗いよりうがいのすすめ」。彼はイソジンなどのヨード液でのうがいを勧める。「適度なヨード液うがいで口の中のウイルス量を減らしておけば、感染していたとしても、重症化する確率は確実に減らせます。高齢者の感染症には、たとえ軽症であっても寝る前にヨード液でうがいをさせるべきだと思います」
「私達を含む世界中の研究者が、ヨウ素液を使った新型コロナウイルスの不活化実証実験でその有効性を確認しています」。私は1年ほど前はイソジンでうがいをしていたが、ちょうど切れた頃に大阪の吉村知事がイソジンで批判されたので止めていた。この本を読んでまた買いに行った。本当に効くかわからないが、無駄ではなさそう。
マスクはやはり重要なようだ。ポリウレタンやポリエステルや布(アベノマスク)はかなり効果が低く、不織布マスクで十分と書かれている。「フェイスシールド、マウスシールドでは何も防げない」「トングから感染することはない」のは、そういう気がしていた。
要は「空気感染」なのだから、マスクをして密を避ける、という当たり前の結論になる。加えてパーテーションやフェイスシールドは信用せず、うがい、とりわけヨード液のうがいを続ける。「空気感染」と考えると、改めて怖くもなった。
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コメント
今のコロナ対策、後世の人が見るとどんな風に映るんでしょうね。「アトミックカフェ」で原爆に備えて避難訓練をするアメリカの小学校を思い出しました。
投稿: 石飛徳樹 | 2021年8月11日 (水) 08時55分