『スイング・ステート』の痛快さ
授業を2コマ終えて気分転換にと選んだのが、ジョン・スチュワート監督の『スイング・ステート』。もともとアメリカ映画の政治ものは好きだし、「『マネー・ショート』と『バイス』のPLAN Bが贈る抱腹絶倒の選挙エンタテインメント!」というキャッチに飛びついた。
結果は当たりで、最初から最後まで笑いながら見られる痛快なコメディだし、皮肉たっぷり。そして終盤の展開にはびっくりした。舞台は2016年のトランプ当選後のウィスコンシン州の田舎町。町役場の集会で、元大佐のジャック(クリス・クーパー)が共和党の町長に反対意見を述べている。その様子はスマホで撮影されて、SNSで話題に。
それを見た民主党の選挙参謀ゲーリー(スティーブ・カレル)は、彼を民主党から町長選に立候補させようと思い立つ。それが全国的な話題になって党勢拡大に繋がると考えたから。ジャックはそれを受け入れるが、ゲーリー本人が地元に張り付いて仕事をすることを条件とする。
ゲイリーの動作の一つ一つがおかしい。あえてL.L.Beanのジャケットを着て、ド田舎に閉口しつつも、あえてみんなに対してフレンドリーな態度を見せる。彼はワシントンから何人も選挙のプロを呼んでくるが、町中にはWIFIがないためにネット対策チームはWIFIのある小学校の構内に車を止めて捕まってしまう。
ジャックの支持率は上がり始めるが、その動きが全国的に報じられると、共和党も強力な女性参謀のフェイス(ローズ・バーン)を現職町長側に送り込む。フェイスはお金をかけて宣伝を始めたため、ゲーリーはニューヨークにゲーリーを連れてゆき、大口の寄付を獲得する。
2つの陣営の騙し合いは抜群に面白いが、すごいのは終盤で実は地元を豊かにするための町長とジャックを中心とした策略だったとわかること。だから一番馬鹿を見るのはゲーリーとフェイスということになってしまう。たぶんもう一度見ると、その策略の跡が最初からあちこちに見えるかもしれない。
後半、政治資金を無制限に受けられる「スーパーPAC」の存在が出てきて、最後はその解説で終わる。巨額の金額が動き、選挙はもはや民主主義からほど遠いことが語られる。このあたりは正直よくわからないが、見終わると空恐ろしくなるのは間違いない。日本の選挙はまだ素朴な感じがするが、どうだろうか。
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