還暦になって:その(13)歯の話
この1年半、歯医者にかかっている。昨年、コロナ感染症が流行り始めた3月頃、奥歯が軽く痛くなったから。もともと、歯はいつも悩みの種だった。実は小さい頃、きちんと歯磨きをしていなかった。小学生になってみんなが給食の後で磨くので、真似をした。歯磨き粉をつけて、2、3度ゴシゴシでおしまい。
そのまま続けて、最初に歯医者に行ったのは高校生の時。体育の時間にバスケットボールで倒れて、前歯が折れた。その時はそこに人口歯をつけてもらったが、歯医者から「もっときちんと歯磨きをしなさい」と言われた。
本格的に歯が痛くなったのは大学生の時。ある日、歯が痛くしてしかたがないので歯医者に行くと抜歯されて、「神経を抜く」と言われた。そこには銀色の歯がつけられた。それからようやく丁寧に歯を磨くようになった。
働き始めて、先輩が昼食の後も磨いているのを見て、真似をして会社に歯ブラシを置いた。それでも5年に1度くらい、歯が痛くなった。歯間ブラシを使うようになったのは、新聞社に移って40歳くらいからか。それからは激痛はないが、それでも5年に1度はどこか痛みが出る。そのたびにたまたま見つけた歯医者に行った。
最後に大きな痛みがあったのは、2015年だと思う。この時は友人の紹介で腕がいいという五反田の歯医者に行った。半年ほどでよくなったが、この頃からはどこにも歯ブラシと歯間ブラシを持ち歩くようになった。例えば13時からの試写の前に試写室の近くで軽く食べると、すぐに歯を磨くようになった。
それから数年たって、新宿区から500円で歯の検査をするという案内が来たので、当てずっぽうで近所の歯科に行った。ところが若い男性歯科医は実に感じが悪かったので、「いろいろ治療の必要があります」と言われたが、そのまま行かなかった。それから半年くらいたって、奥歯が痛くなった。近所の別の歯科医に行ったが、そことは波長が合った。
私より少し若い女医さんで、最初から妙に友達のような感じがあった。何かしら波長が合う。最初は週1回で5月にはほぼ治り、それからは3カ月に1度、経過を見て掃除をしてもらった。そのたびに、歯に1から5までの点数をつける。5が一番悪いが、それがだんだん減ってゆく。
12月の後、本来は3月に行くべきが忘れていた。そしてこの10月になって久しぶりに行ったら、ずいぶん点数が悪くなっていた。そこでまた2週間に1度行くようになった。さてこれはいつまで続くのか。それでもそこに3カ月に1度行っていれば、たぶん歯は痛くならないだろう。何より、技師の女性も含めて、その歯科は心地がいい。
結局は女である。還暦になるとこれしかないのか。
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