還暦になって:その(11)手帳をなくす
先日ここに、スマホ、財布、手帳は常に持っておかないといけない、と書いたばかりが、手帳をなくしてしまった。火曜日の夜、18時半まで授業をして帰宅すると、手帳がない。どこにも寄っていないので、研究室にあるはずと思ってあまり心配せずに翌朝大学に行った。
普通だと机の上のどこかにあるはずだが、ない。散らばった書類や本を整理しても出てこない。研究室のあちこちを探すが、出てこない。そこで前日の夕方に授業をした教室に行ったが、やはりない。警備室や庶務課に聞いたが、届けられていないという。
これで私はなくしたと観念した。手帳には授業、会議、アポ、飲み会、原稿締切などすべてを書き込んでいる。これがないと、その日に何をしたらいいかわからない。この機会にスマホでスケジュールを管理しようかとも考えたが、やり方を覚えるのが面倒だ。結局、同じ手帳をアマゾンで注文した。10月に2021年の手帳を買うとは。
それでも研究室の中を探し続けた。やはり、ない。とりあえず手帳が来る金曜か土曜までのアポを、メールを頼りにA4の紙に書きだした。その日の夕方はほかの大学での授業だが、教室も手帳を見ないとわからない。これはネットで大学の授業用掲示板から出てきた。とにかくA4の紙にわかるだけ書いて、鞄にしまった。
その日は飲み会だったので、授業後に出かけて酔って帰宅。さらに部屋の中を探したがない。翌朝もあちこちを見るがない。そして大学に行くと、警備員の一人から「手帳出てきましたか?」と聞かれて恥ずかしかった。そして研究室に入り、再度見渡すがどこにもない。これで完全に諦めた。
その日の午前と午後に授業をやり、夕方6時には原稿を書くためのZoomインタビューがあったので早めに帰ろうと思った。帰る前に翌週の授業の準備で週末に見るDVDを探していた時、積み重なったDVDの下からポロリと手帳が出てきた。その黒い手帳は神々しく輝いて見え、ほとんど奇跡に思えた。
考えてみたら火曜の夕方に3本のDVDを授業に持っていった時に、エコバッグに手帳も入れた。それを棚に戻した時に3つのDVDの間に挟まったに違いない。そんな簡単なことだった。喜び勇んで帰宅し、インタビューも実にうまくいった。その夜は酒を飲んで10時前に上機嫌で寝た。
翌朝起きて、夜10時40分頃に震度5強の大きな地震があったことを知ったが、私は何も知らずに熟睡していた。よほど安心して寝入っていたのだろう。さて、午後にはアマゾンから手帳が届いた。いったいこの手帳をどうすればいいのか。記念に飾っておけば、今後ものをなくさないお守りになるかもしれない。何はともあれ、嬉しい終末だ。
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