『ひらいて』にガッカリ
首藤凛監督の第一回商業映画『ひらいて』を見た。先週金曜日の「朝日」で石飛徳樹記者が、「日経」で宇田川幸洋さんが絶賛していたから。ストライクゾーンがかなり広めの石飛記者はともかく、宇田川さんがほめて4つ星(星は最近残念なことにネット版のみ!)をつけていたので安心して見に行った。
ところがこれがガッカリだった。もともと池袋HUMAXシネマズで見たのがよくなかったのかもしれない。450席のスクリーン1に客は10人もおらず、私以外はみな高校生(か大学生)で大半が女子。還暦のおじさんは明らかに変態に見えた。彼女たちは始まる前から大声で話して盛り上がっていた。
始まると、映画館にいたような女の子たちが校庭でダンスをしている。明らかに目立つ女の子が真ん中にいる。これを見てもうダメだった。これは実は大学でいつも見ている風景。ダンスサークルがいくつもあって、夕方にはあちこちで踊っている。そのあまりに真剣なさまに私は思わず「そんな暇があったら」と思う。
映画に戻ると、真ん中で踊る愛(山田杏奈)の感じが苦手だった。これまた大学にもよくいる人気者で要領がよく、場合によっては先生をも誘惑して単位をせしめようというタイプ。実は成績は中くらいだが、就職もうまくいく。
学生が作る映画にもこのような内容が多い。特に女子高出身者は、4年生になってもスクールカーストを描くことに情熱を傾ける場合がある。その場合、舞台は高校だ。もっと社会を見なさいと思うが、彼らにとってそれが唯一の大事な問題なのだろう。
話がまたそれたが、こんな具合で始まって半分くらいまでは「いつ出ようか」と思っていた。先生の描き方はカリカチュアだし。ところが愛が自分の好きな”たとえ”(作間龍斗)が美雪(芋生悠)と付き合っていると知って、美雪に近づいて体を求めるあたりから、ちょっとおもしろくなった。愛や美雪の母親やたとえの父親の描き方もなかなか繊細で悪くない。
それでも結局ははわがままさを増すだけの愛の物語で、やはり不愉快だった。それでも見終わってスポーツジムで水泳をしながら考えたら、なかなか巧みな映画だと思い直した。特におくてで素直な美雪の存在がいい。クールで言葉少ないたとえも、妙なリアリティがある。
帰って調べたら、監督は1995年生まれでテレビマンユニオン所属という。かなり器用なので、今後注目される存在になっていくかもしれない。
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