還暦になって:その(12)急に冬になって
今週の月曜日に急に夏から冬になった。それまでは、自宅では短パン、Tシャツ、サンダルの夏だったのに。週末の土日も少し涼しかったが、私はサンダル履きで出かけた。それがもう冬のようだ。自分ながらおもしろいと思ったのは、月曜朝に寒さを感じて自然にジャケットを着て出かけたこと。
それまでは、Tシャツに半袖か長袖のシャツをはおり、おおむねボタンを外していた。大学や映画館に着くと汗が出るので、Tシャツだけになった。それがある朝忽然とシャツのボタンを閉じてジャケットまで着るのだから。水曜日には薄いコートまで着た。自然に体が動くのがおかしい。
このことは何度か書いたが、昔は「秋」というものがあった。お盆過ぎにには涼しい風が吹き始め、9月にはジャケットを着始めた。10月には厚めのジャケット。それがいつまでたっても夏が続くようになった。大学に移った12年半前に比べても、だいぶ違う気がする。
今は春や秋用の薄いジャケットを着る時期がほとんどなくなった。5月の連休を過ぎるとTシャツになり、それが10月半ば過ぎまで続く。この国は1年のうち5カ月は夏になったのではないか。水曜日には久しぶりにジーンズをはいた。夏はジーンズ生地は暑いので、短パンでなくても、コットン・パンツにする。
そのジーンズのポケットから映画『アメリカン・ユートピア』のチケットが出てきた。日付は5月末で、たぶんそれから5カ月はジーンズをはいていなかったことになる。同じように「季節感」を感じたのは、火曜日朝にほうじ茶を飲んだ時。私は毎朝、コーヒーと野菜・果物ジュースの後は、お茶を飲みながらこのブログを書く。
冬はほうじ茶を飲むが、夏は暑いので烏龍茶とか爽健美茶とか十六茶の1リットルのペットボトルを冷蔵庫に入れて、少しずつ飲む。火曜日に十六茶がなくなったことに気がついたが、自然とお湯を沸かしてほうじ茶を作っていた。
ジャケットもほうじ茶も体が動く。そして動いた後に「そうか」と思う。このずれた感じはひょっとすると「還暦」ではないか。無意識に体は環境に反応し、考えるのは後から。まるで還暦AIが働くようでおかしい。
そういえばこの夏の「成果」に、コンポストの完成があった。6月末から毎日生ゴミ、つまり野菜くずや肉や魚の残りをいれて3カ月たち、1カ月熟成させて、堆肥ができあがった。開けてみると石炭に近いが、よく見ると真っ白になったカボチャや梅干しの種や鶏の骨がある。化石のような感じ。
問題はこの堆肥を何に使うかで、ベランダの庭用には多すぎる。その不思議な堆肥の山は、まるで自分を見るような気がした。
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