還暦になって:その(23)師走
「還暦になって」のシリーズが23回目となった。最近はどうでもいい話を書く時にこれを使う。今年の年末は早かった、と思う。12月になったと思ったらクリスマスだった。何となく、20日間ほどが一瞬でふっ飛んだ気がした。
「師走」という言葉は、私は勝手に「ふだん暇な先生も走るほど忙しい12月」のことだと思っていた。特に大学の教員になってからは、確かに「先生も走る」は当たっているなと思った。ところが今ネットで調べたら、おおむね「師匠の僧がお経をあげるために東西を馳せるほど忙しい月」という内容が書いてあった。
坊さんが走り回ってあちこちでお経を挙げている様子が目に浮かぶが、私の住む神楽坂あたりではそんな光景は見ない。私の実家のお盆だと、本当に袈裟を来たお坊さんが30分単位でバイクで走り回って(稼いで)いるが。
とりあえず、大学の教員は年末から2月くらいまでは1年で1番忙しい時期だ。卒論の指導が佳境に入り、今は毎日赤ペンを持って膨大な量の卒論に手を入れてコメントを書いている。あるいは就職の決まらない学生の相談を受けたり、年明けの試験の準備をしたり。
そんなこんなで今年は年賀状の印刷も遅れた。気がついたらあっという間に20日になっていた。今年は宛名を始めてパソコンのエクセルに打ち込んで準備していたが、結局うまくいかないのでまた手書きになりそう。
それから宴会も増えた。12月になってやたらに「打ち上げ」があった。コロナの感染者数が減ったからだが、徐々に少しずつ増加に向かっているので、年明けになるともう難しいかもしれない。
あるいは忘年会に友人宅に行ったり、自宅で大学院留学生を呼んで宴会をしたり。その準備だけでも大変なのだが、やはり私の場合12月が忙しいのは酒を飲むからだと思い至った。酒を飲むと翌日にも響く。
本当はイタリア映画の本を書かねばならないのだが、9月末に授業が始まってから1文字も書いていない。たぶん正月は何本かDVDを見るので終わってしまいそうで、たぶん再開は2月半ばだろう。その頃には宴会もできなくなり、集中できるのではないか。そんなことを考えている還暦の師走である。
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